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6月24日全体会議「ロジカルとラテラル、2つの考え方を活かそう」
今週の全体会議の模様です。全体会議は個人やチームで抱えている情報や学んだことを共有します。
小話「学びを結果に変える」
今週の小話です。
『センスは知識からはじまる』(水野学、2014)
デザイナーの五十嵐が紹介した書籍は『センスは知識からはじまる』(水野学、2014)です。著者は水野学、くまモンのアートディレクションなどで話題となっているデザイナー/クリエイティブディレクターです。
五十嵐はこの書籍から学んだことの1つとして「”センス”とは、特別な人に備わった才能ではない」ことについて説明しました。何かを制作するとき、センスがある人の方がクリエイティブなことができると人は考えてしまいがちです。しかしセンスとは知識の集積によるものであって、特別な能力や才能ではないということを社員に共有しました。その他、この書籍のポイントとして挙げたのは以下の3点です。
- センスとは知識の集積。知識とは紙、センスとは絵。
- まずは良いか悪いかの「判断基準」である「普通を知ること」が重要
- 効率よく知識を身に着けていくコツ
また3つ目のポイント「効率よく知識を身に着けていくコツ」については3点を紹介しました。
- 王道から解いていく
- 今、流行しているものを知る
- 「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみる
『学びを結果に変えるアウトプット大全』(樺沢紫苑、2018)
続いて東京オフィスからビデオ通話を利用してプロデューサーの石井が発表を行いました。紹介した書籍は『学びを結果に変えるアウトプット大全』(樺沢紫苑、2018)です。石井はインプットは多くしているものの、実際の業務でインプットしたことをアウトプットし切れていないのではないかと思い、この書籍を手に取りました。
書籍内容からは「ギブ&ギブの精神」などについて説明がありました。「ギブ&ギブ」は見返りを求めるギブ&テイクとは異なり、見返りを期待せずに相手のために行動します。自分ばかり与えて損するのではないかと思いますが、返報性の法則が働くため与えた以上に返ってくるものが多くなるのです。その他にポイントとして下記3点をとりあげました。
- 脳科学に裏付けされた伝え方・書き方・動き方を見開きで学べる。
- 「ギブ&ギブ」の精神
- 覚えたこと、学んだことは相手に自分の言葉で話して定着させる。
『はじめてリーダーになる君へ』(浅井浩一、2013)
コーダーの大矢が紹介した書籍は『はじめてリーダーになる君へ』(浅井浩一、2013)です。大矢はコーディングチームのリーダーとして正しく行動できているか確かめるためにこの書籍を読みました。
大矢が参考になった項目は「リーダーは優秀さを捨てなさい(リーダーに必要な5カ条)」。リーダーという立場はあらゆる業務を1人でこなせくてはいけないのではないかと考えていた大矢ですが、この項目を読んでリーダーについての単一的な「~でなければならない」という考え方を変えることができました。
リーダーは「優秀さ」を捨てなさい(リーダーに必要な5カ条)は以下の通りです。
- 自分にできていることを一生懸命やっているか
- 自分にできないことは部下に甘え、頼っているか
- 自分の優秀さをアピールしていないか
- 人としての関心を部下に持っているか
- 事実に基づいて部下と向きあっているか
講話「ロジカルシンキングとラテラルシンキング」
先週の全体会議で予告されたように、今週の講話は本間からロジカルシンキングとラテラルシンキングについて話がありました。
なぜ(Why)を5回繰り返して正しい原因の追求を
まず、先週に引き続きなぜなぜ分析の内容が取り上げられました。
「なぜなぜ分析というのはWhyを5回繰り返し問題の本質を突き止める手法。元々はトヨタの工場がカイゼンを進める中で、問題の本質が何かを突き詰めるために行われました。」
「ただ闇雲にやればいいわけではありません。例えば患者さんが転倒した時、トイレに移動中転倒したのか、ベッドの横で転倒したのかによって原因が変わります。「転倒しました」という報告をしても不十分なので、事象を絞り込み、Whyを続けていきます。」
「重要なことは事象をありのままに表現すること、また主語を明確にすることです。なぜを繰り返す中で事象や主語の認識に漏れがあると正しい原因にたどり着けないからです。」
「ドコドアでよく聞くのは工数がオーバーしましたという報告。これは途中の事象でしかなく、なぜそうなってしまったのかを認識する必要があります。例えば下記のように色々な原因がありますが、突き詰めなければ正しい原因の追求にはなりません。」
- ディレクターからの指示が曖昧だったから。
- ディレクターとクライアントの打ち合わせでデザインの方向性を明確にできなかったから。
- ディレクターはきちんと伝えたが、デザイナーがちゃんと聞いていなかったから。
- デザイナーはちゃんと聞いていたけど、それを表現するスキルがなかったから。
「また、空・雨・傘という有名なフレームワークがあります。空が曇っているという事実認識をすると、雨が振りそうだと解釈をし、傘を持っていく判断をします。つまり傘を持っていくという結果には流れがあるのです。ロジカルシンキングは順を追って結論に向かうことだと認識してください。」
ラテラルシンキングも今までにない結論を出すために必要
「続いてラテラルシンキングについてです。ラテラルシンキングは水平思考とも呼ばれ、ロジカルシンキングとは異なる考え方。特に制作に関わっている社員は、この考え方を知っているとクリエイティブな問題が解決しやすくなります。」
そして下記の5つのラテラルシンキング活用例を紹介しました。
- 企業戦略として新たな方向性を見出してイノベーションを起こしたい場合。
- これ以上の成長が見込めない飽和状態の成熟した市場におけるマーケティングや新商品開発を行う場合。
- 既存のサービスや商品、技術を他に役立ててイノベーションを起こしたい場合。
- 新規開拓する未知の市場におけるマーケティングや商品開発を行う場合。
- リスクを伴う可能性があるが、大きな売り上げを出したい場合。
「この中でも3番目に関係があります。例えばドコドアでは、制作事例が似通ったものになるケースが増えてきています。これはロジカルシンキングでエンドユーザーやクライアントがどんな人か、要望を取り入れつつ問題を解決するにはどうするかを全員が毎回考えるためです。」
「ラテラルシンキングは一旦このロジックを破壊します。セオリーを壊して異なる考えを取り入れることでイノベーションが起こり、発想したことのないデザインが生まれやすくなります。なのでクリエイティブの人たちにとってラテラルシンキングは役立ちます。」
「まとめるとラテラルシンキングは、クリエイティブな思考の際に使える、常識や固定概念を一回外す考え方。特徴は今までにない考え方をすることで、今までにない結論が出てくることです。ぜひ参考にしてください。」
まずはロジカルシンキングから身につけよう
「ロジカルとラテラル、両方が身についていなければ、まずはロジカルシンキングを身につけてください。ロジカルに考えることができずにラテラルで考えても、1つ1つの意図に対して理由を聞かれても「なんとなく」としか答えられなくなります。ロジカルシンキングを基本に、ラテラルシンキングでそれを打ち崩すような新しい発想を出す。この2つの考え方を上手に使って制作に活かしてください。」このように社員に伝え、今週の講話は終了しました。
所感「アウトプットして定着させる」
小話で紹介された「アウトプット大全」によると、一般的なインプットとアウトプットの比率は7対3ですが、黄金比は3対7であり、アウトプットなしには自己成長はありえないとのことです。
自分の中でふんわりとわかった気になっていることをより深く理解し定着するために、アウトプットの比率を増やすことを心がけようと思いました。
今週もよろしくお願いいたします。