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ブランドアイデンティティ(BI)とは?CI・VIとの違いと設計の進め方

ブランドやWebサイトをリニューアルするとき、ロゴやカラー、フォントなどのデザインから検討を始めることがあります。しかし、見た目を決める前に整理しておきたいのが、「自分たちはどのようなブランドなのか」というブランドアイデンティティです。
ブランドアイデンティティ(Brand Identity)は、ロゴやカラーだけを意味するものではありません。企業や商品・サービスについて、「誰にどのような価値を提供するのか」「どのような考え方や個性を持つ存在なのか」を整理し、その内容を言葉やデザイン、商品・サービス、コミュニケーションなどへ一貫して反映するための判断軸として捉えることができます。
そのため、VI(Visual Identity)を設計するときも、最初から色や形を決めるのではなく、「何を視覚化するためのデザインなのか」を明確にしておくことが重要です。
なお、Brand Identityを「BI」と略す用例は確認できますが、BIは国内のCIに関する文脈ではBehavior Identity、IT分野ではビジネス・インテリジェンス(Business Intelligence)を指す場合もあります。本記事では検索上の表現も踏まえ、Brand Identityをブランドアイデンティティ(BI)と表記します。
本記事では、ブランドアイデンティティ(BI)とは何かを整理したうえで、CI・VIとの違い、理念・提供価値・ブランドパーソナリティなどブランドアイデンティティ設計で整理したい要素、具体的な設計プロセス、企業事例まで解説します。
目次
ブランドアイデンティティ(BI)とは
ブランドアイデンティティ(BI)とは、企業や商品・サービスについて、「自分たちは何者であり、誰にどのような価値を提供する存在なのか」を定義し、さまざまなブランド接点へ一貫して反映するための基準となる考え方です。
ブランド研究では、ブランドアイデンティティについて複数の考え方があります。
現代の「ブランド論」および「ブランディング」の基礎を築いた世界的な第一人者、デイヴィッド・アーカー(David A. Aaker)は、ブランドを商品としてだけでなく、組織、人、象徴という4つの視点から捉えるブランドアイデンティティの考え方を提示しています。また、ブランドアイデンティティを中心的な要素と、それを補完する要素に分けて考える枠組みも示しています。
また、ブランド論やラグジュアリー戦略の分野で世界的に知られるフランスのマーケティング学者のジャン=ノエル・カプフェレール(Jean-Noël Kapferer)のBrand Identity Prismでは、ブランドアイデンティティをPhysique、Personality、Culture、Relationship、Reflection、Self-imageという6つの側面から整理します。
両者に共通しているのは、ブランドアイデンティティをロゴなどの視覚要素だけに限定していないことです。
実務では、たとえば次のような問いに答えられる状態を目指します。
- なぜこのブランドが存在するのか
- 誰に価値を提供するのか
- どのような課題に応えるのか
- どのような価値を約束するのか
- 競合と比較してどのような存在なのか
- どのような人格・姿勢を持つのか
- その内容を言葉やデザインでどう表現するのか
これらを整理することで、ロゴ、Webサイト、営業資料などを制作するときにも、「ブランドとして適切か」を判断する基準を持ちやすくなります。
出典:David A. Aaker「Building Strong Brands」/Jean-Noël Kapferer「The New Strategic Brand Management」
ブランドアイデンティティとブランドイメージの違い
ブランドアイデンティティを理解するときは、ブランドイメージとの違いを押さえておくと分かりやすくなります。
| 項目 | 主体 | 意味 |
|---|---|---|
| ブランドアイデンティティ | 企業・ブランド側 | どのようなブランドとして存在し、認識されたいか |
| ブランドイメージ | 顧客・市場側 | 実際にどのようなブランドとして認識されているか |
ブランドアイデンティティは、企業側が定義する方向性です。一方、ブランドイメージは、顧客が商品・サービス、Webサイト、営業、広告、サポートなどを体験する中で形成されます。
つまり、
ブランドアイデンティティを定義する
↓
商品・サービスやコミュニケーションへ反映する
↓
顧客がブランドを体験する
↓
ブランドイメージが形成される
という関係で考えることができます。
たとえばブランドアイデンティティとして「誠実」を掲げても、契約条件が分かりにくかったり、問い合わせへの説明が不十分だったりすれば、顧客が同じ印象を持つとは限りません。
そのため、ブランドアイデンティティは「こう見られたい」という理想像を決めるだけではなく、実際の商品・サービスや行動へ反映できる内容にすることが重要です。
「BI」と表記するときは意味の違いに注意する
「BIとは何か」と調べる際には、略称の意味に注意が必要です。
日本語のブランド研究では、Brand Identityを「BI」と表記する用例が確認できます。一方、日本国内のCIに関する実務では、
- MI:Mind Identity
- BI:Behavior Identity
- VI:Visual Identity
という整理が使用される場合があります。この場合のBIはBrand Identityではなく、Behavior Identity(行動のアイデンティティ)です。J-Net21でも、この意味でBIが説明されています。
そのため、社内資料や制作会社との打ち合わせでは「BI」とだけ記載せず、「Brand Identity」「ブランドアイデンティティ」と明記した方が認識のずれを防ぎやすい場合があります。
CI・VIとの違い
ブランドアイデンティティを設計するときに混同しやすいのが、CIとVIです。
3つは関連していますが、同じ意味ではありません。
| 項目 | 主な対象 | 主な役割 |
|---|---|---|
| BI(Brand Identity) | 企業・商品・サービスなどのブランド | どのようなブランドとして存在するかを定義する |
| CI(Corporate Identity) | 企業 | 企業として何者なのかを整理・統一する |
| VI(Visual Identity) | 視覚表現 | アイデンティティを視覚的に表現・統一する |
なお、Brand Identity・CI・VIについて、すべての企業に共通する単一の階層構造があるわけではありません。対象やプロジェクトによって関係は変わるため、それぞれの役割を理解して使い分けることが重要です。
CIとは企業そのもののアイデンティティ
CIはCorporate Identity(コーポレートアイデンティティ)の略称です。
企業理念や存在意義、価値観、行動、企業としての表現などを整理し、「会社として自分たちは何者なのか」を明確にしていく考え方です。
J-Net21では、CIを単なるロゴ変更ではなく、企業の特性や独自性を内部で再認識・再構築し、統一したイメージやデザイン、メッセージとして発信する企業戦略として説明しています。
一方、本記事で扱うBrand Identityは企業だけに限定されません。企業ブランド、事業ブランド、商品ブランド、サービスブランドなど、それぞれのブランドについて設計することができます。
企業ブランドを対象にする場合は、CIとブランドアイデンティティの検討内容が大きく重なる場合もあります。
VIとはアイデンティティを視覚化する仕組み
VIはVisual Identity(ビジュアルアイデンティティ)の略称です。
定義したブランドの考え方を、視覚的に一貫して表現するための仕組みを指します。
代表的な要素には、ロゴ・シンボル、ブランドカラー、タイポグラフィ、写真・イラスト、アイコン、グラフィックエレメント、レイアウト、モーション表現などがあります。
これらをWebサイト、広告、営業資料、商品パッケージ、店舗などへ展開していきます。
ブランドアイデンティティを整理してVIへつなげる
ブランドアイデンティティとVIの違いは、「ブランドとして何者なのかを定義すること」と「その内容をどのように視覚化するか」という関係で考えると理解しやすくなります。
たとえば、「先進的なロゴにしたい」という希望だけでは、どのような表現が適切なのかを判断する基準がありません。
一方で、「既存の仕組みを提供するだけではなく、顧客と一緒に新しい方法を考えるブランドである」という方向性が整理され、そのブランドが提供する価値やコンセプト、パーソナリティまで明確になっていれば、「先進性」が必要な理由や、どのような表現がブランドに合うのかを検討しやすくなります。
つまり、
ブランド戦略
↓
ブランドアイデンティティ(ブランドコンセプト・プロミス・パーソナリティなど)
↓
Tone of Voice・VI
↓
Webサイト・営業資料・商品・サービスなどのブランド接点
という関係で整理すると、戦略から表現、実際のブランド体験までを一貫して考えやすくなります。
ブランドパーソナリティは、ブランドアイデンティティを設計した後に別途付け加える要素ではなく、ブランドがどのような人格的特徴を持つかを定義する、ブランドアイデンティティの一部として整理します。Aakerのモデルでは「Brand as Person」、KapfererのBrand Identity Prismでは「Personality」が含まれています。
ブランドアイデンティティ設計で整理したい要素|理念・提供価値・パーソナリティ
ブランドアイデンティティを設計する際に整理する項目について、すべての企業に共通する一つの標準フォーマットがあるわけではありません。
実務では、まず市場や顧客、競合、自社について整理し、誰にどのような価値を提供するブランドなのか、競合と比較してどのような位置を目指すのかを検討します。
そのうえで、ブランドコンセプト、Brand Promise、ブランドパーソナリティなどを言語化し、Tone of VoiceやVIなどの表現へつなげます。
つまり、ブランドを定義するための戦略的な検討 → ブランドアイデンティティの言語化 → 言葉や視覚表現への展開という流れで考えると整理しやすくなります。
理念・存在意義
企業ブランドの場合は、Purpose、Mission、Vision、Values、創業理念などがブランドアイデンティティの土台になることがあります。
ただし、ブランドアイデンティティ設計を行うたびに、新しい理念を作る必要はありません。
既存の理念が現在の事業や将来像と一致しているのであれば、それを活用できます。
重要なのは、「なぜこのブランドが存在するのか」「何を大切にするのか」が、その後の提供価値や表現と矛盾していないことです。
ターゲットと顧客課題
ブランドアイデンティティは、自社が「こうありたい」と考えるだけで設計するものではありません。
誰に価値を提供するのか、その相手が何を求めているのかも整理します。
たとえばBtoBサービスであれば、業界や企業規模だけではなく、どのような状況で検討を始めるのか、何に困っているのか、誰が検討・意思決定するのか、選定時に何を重視するのか、現在はどのような代替手段を使っているのかまで確認すると、提供価値を具体化しやすくなります。
提供価値と根拠
提供価値を考えるときは、商品・サービスの機能と、顧客が得る価値を分けます。
たとえば、
機能
専門担当者が要件整理から支援する
提供価値
社内に専門人材が少なくても、プロジェクトを具体化しやすくなる
という関係です。
Functional Benefit(機能的便益)
商品・サービスを利用することで得られる、機能的・実用的な価値です。
作業時間を短縮できる、業務を一元化できる、担当者の負担を減らせるなどが該当します。
Emotional Benefit(情緒的便益)
商品・サービスによって得られる心理的・感情的な価値です。
専門家へ相談できることで判断時の不安を減らしやすい、重要な業務を一人で抱え込まずに済むといった価値が考えられます。
Reason to Believe(提供価値を裏付ける根拠)
提供価値を「なぜ自社なら実現できるのか」という事実で裏付けます。
実績、技術、専門人材、独自の仕組み、品質管理体制、顧客事例などが代表例です。
「専門性がある」「信頼できる」と表現するだけではなく、その理由まで整理しておくことで、ブランドアイデンティティを実態と結び付けやすくなります。
ポジショニングと独自性
次に、競合や代替手段と比較して、ブランドがどの位置を目指すのかを整理します。
重要なのは、単に「競合と違うこと」を探すことではありません。
その市場で顧客から選択肢として認識されるために必要な共通条件と、顧客にとって意味のある違いの両方を確認します。
実務では、POP(Points of Parity)とPOD(Points of Difference)という考え方も利用できます。
目指したいのは、
顧客にとって重要である×自社が継続して提供できる×競合との違いを説明できる
という領域です。
ブランドコンセプト・プロミス
市場・顧客・提供価値・ポジショニングを整理したら、ブランドの中心となる考え方を言語化します。
ブランドコンセプトは、「誰に、どのような価値を提供し、どのような存在を目指すブランドなのか」を関係者で共有するための軸です。
また、必要に応じてBrand Promiseとして、顧客やステークホルダーへ継続的に提供する価値や姿勢を整理する場合もあります。
重要なのは、印象的なコピーを作ることではなく、その言葉を顧客課題・提供価値・自社の強みから説明できることです。
ブランドパーソナリティ
ブランドパーソナリティとは、ブランドを人にたとえた場合に、どのような人格・個性を持つ存在なのかを整理する考え方です。
たとえば「誠実」「専門的」「明快」「親しみやすい」「先進的」「挑戦的」といった言葉があります。
ただし、形容詞を決めるだけでは、人によって解釈が変わります。
たとえば「誠実」であれば、「分からない情報を断定しない」「メリットだけでなく条件も説明する」「価格や対応範囲を分かりやすく示す」など、具体的な行動へ変換します。
また、「専門的だが、難解ではない」「親しみやすいが、軽すぎない」のように境界線を決めておくと、表現の判断基準として使いやすくなります。
Aakerではブランドを「人」として捉える視点が示され、KapfererのBrand Identity PrismにもPersonalityが含まれています。
Tone of Voice・VIへつなげる
ブランドパーソナリティを文章や会話へ反映する際は、Tone of Voice(トーン・オブ・ボイス)を整理します。
Tone of Voiceとは、ブランドとしてどのような語調や言葉遣いでコミュニケーションするのかを定める方針です。
たとえば「明快」であれば、結論を先に示す、必要以上に専門用語を使わない、理由と根拠をセットで説明するといったルールへ落とし込めます。
視覚表現では、同じブランドアイデンティティをVIへ翻訳します。
特定の人格に対して特定の色やフォントが唯一の正解になるわけではありません。大切なのは、なぜその表現を選んだのかをブランドアイデンティティから説明できることです。
ブランドアイデンティティの設計プロセス
ブランドアイデンティティ設計の工程は、企業やプロジェクトによって異なります。
ここではVI設計へつなげることを想定し、7つのステップで整理します。
STEP1. 設計する目的と背景を整理する
最初に、「なぜ今ブランドアイデンティティを整理するのか」を明確にします。
新規事業の立ち上げ、事業領域の変化、企業統合、Webサイトの刷新、VIの見直しなど、背景によって必要な検討範囲は変わります。
「ロゴを新しくする」こと自体を目的にするのではなく、現在どのような課題があり、何を変えたいのかを整理します。
STEP2. 既存のブランド資産を棚卸しする
既存ブランドであれば、現在持っているものを確認します。
企業理念、事業計画、会社案内、商品・サービス資料、Webサイト、営業資料、既存ロゴ、ブランドガイドライン、社内資料、顧客から評価されている点などが対象です。
すべてを新しくするのではなく、今後も残すべきものと、見直すべきものを分けます。
STEP3. 顧客・社内・市場・競合を理解する
ブランドアイデンティティは社内だけの議論で決めるとは限りません。
必要に応じて経営層や社員へのヒアリング、顧客インタビュー、営業情報、アンケート、競合分析などを行い、「自社がどうありたいか」と「現在どう認識されているか」を確認します。
顧客や競合を理解することで、自社だけでは気付きにくい価値や課題を整理しやすくなります。
STEP4. 提供価値とポジショニングを定義する
調査した情報から、
誰に
どのような価値を提供し
なぜ自社がその価値を提供でき
競合と比較してどの位置を目指すのか
を整理します。
ここでReason to Believeまで明確にしておくと、後のブランドメッセージやVIも根拠のあるものにしやすくなります。
STEP5. ブランドアイデンティティを言語化する
次に、ブランドコンセプト、Brand Promise、ブランドパーソナリティなど、ブランドアイデンティティを構成する要素を整理します。
既存のPurpose、Mission、Vision、Valuesがある場合は、それらとの関係も確認します。
すべての項目を埋めることよりも、理念・提供価値・ポジショニング・ブランドコンセプト・パーソナリティが矛盾していないことが重要です。
STEP6. Tone of Voice・VIへ展開する
定義したブランドアイデンティティを言語と視覚のルールへ翻訳します。
文章ではTone of Voice、視覚ではロゴ、カラー、タイポグラフィ、写真、グラフィックなどを検討します。
たとえば「専門的だが難解ではない」という個性であれば、文章では専門用語に説明を加え、視覚面では情報の読みやすさや整理を重視するといった方向性を検討できます。
STEP7. ブランド接点へ反映し、運用する
設計したブランドアイデンティティやVIは、Webサイトだけで完結するものではありません。
営業資料、広告、採用、SNS、商品・サービス、UI、店舗、サポートなど、ブランドを体験・認識する主要な接点へ反映します。
必要に応じてブランドガイドラインを作り、ロゴの使用ルールだけでなく、ブランドの背景、パーソナリティ、Tone of Voiceなども共有すると、日々の判断に活用しやすくなります。
VI制作前に整理しておきたいこと
VI制作へ進む前には、少なくとも次のような内容が整理されているか確認すると、デザインの判断軸を持ちやすくなります。
- ブランドを設計する目的
- ターゲットと顧客課題
- 提供価値と根拠
- 競合との関係・ポジショニング
- ブランドコンセプト
- ブランドパーソナリティ
- ブランドとして伝える中心的なメッセージ
「競合が青なので別の色にする」「高級感を出したいので黒を使う」といった視覚的な判断だけから進めるのではなく、なぜその表現がブランドに必要なのかを説明できる状態をつくることがポイントです。
ブランドアイデンティティ設計の事例
ブランドアイデンティティとVIの関係は、企業が公開している事例を見ると理解しやすくなります。
ここでは、ブランドの考え方から視覚表現へのつながりを確認できる事例を紹介します。
freee|ブランドコアからロゴ・サービスデザインへ展開
freeeは2021年、新しいビジョンとあわせてブランドロゴをリニューアルし、ユーザーやステークホルダーへ届けたい価値としてブランドコアを設定しました。
ブランドコアには「解放」「自然体」「ちょっとした楽しさ」などが示され、新しいロゴについても、解放感や軽やかさ、自然体、ポジティブさ、親しみ、理知的なスマートさによってブランドコアを表現したと説明しています。
この事例からは、
ビジョン・ブランドコア
↓
ブランドとして表現したい価値
↓
ロゴ・シンボル
↓
各プロダクト・サービス
というつながりを見ることができます。
ブランドの考え方とロゴを別々に作るのではなく、上位のブランドコアを視覚表現やサービスへ反映している例です。
出典: freee「ビジョンおよびブランドロゴ リニューアルのお知らせ」
ソニー「INZONE」|顧客理解からコンセプト・ネーミング・ロゴへ
ソニーのゲーミングギアブランド「INZONE」では、他社ブランドの研究やプロプレイヤーへのインタビューなどを行い、ゲーミングカルチャーやプレイヤーへの理解を深めるところからプロジェクトを進めています。
そのうえで、ソニーがオーディオ・ビジュアルやエンタテインメント領域で培ってきた強みを整理し、プレイヤーの能力を拡張して「ゾーンに入る」体験を提供するというブランドコンセプトへつなげました。
さらに「Get Into the Zone」という考え方を「INZONE」というブランドネームへ展開し、ロゴでは中央のスラッシュによって境界線を超えるブランド体験を表現しています。
つまり、
顧客・市場の理解
↓
自社の強み
↓
提供する体験
↓
ブランドコンセプト
↓
ネーミング
↓
ロゴ・プロダクト
という流れです。
ロゴから考え始めるのではなく、顧客理解と提供価値からブランドアイデンティティと表現へつなげる例として参考になります。
コマツ|Purpose・Values・Brand PromiseからVIへ展開
コマツは、企業としてのアイデンティティを「存在意義」「価値観」「約束」「戦略」「行動指針」などから整理しています。「Creating value together」を顧客やステークホルダーと交わす約束として掲げています。
また、コマツは24年ぶりに建設機械のVIを大きく刷新しました。2001年から使用してきた3本のストライプを残しながら、水平のラインから斜めのラインへ変更しています。
新しいストライプについて、未来へ向かう動きや躍動感とともに、社会・顧客・社員が調和して前進する姿を表現したものと説明しています。従来の視覚資産を完全に捨てるのではなく、継承しながら新しい意味へつなげている点が特徴です。
この事例では、
存在意義・Values
↓
Brand Promise
↓
VI
↓
製品
というつながりを確認できます。
ブランドアイデンティティを設計する際には、既存の資産をすべて新しくするのではなく、残すべき要素を見極めながら、新しい事業環境や目指す姿に合わせて意味を再整理する方法もあります。
まとめ
ブランドアイデンティティ(BI)は、単にロゴやカラーを決めるためのものではありません。
「自分たちは何者であり、誰にどのような価値を提供し、どのような個性や姿勢を持つブランドなのか」を整理し、商品・サービス、言葉、デザイン、Webサイトなどへ一貫して反映するための判断軸です。
ブランドアイデンティティ設計では、まず現在のブランドや事業の状況を把握し、ターゲットや顧客課題、自社の提供価値、競合との関係を整理します。そのうえでポジショニングを定め、ブランドコンセプトやプロミス、ブランドパーソナリティなどを言語化し、Tone of VoiceやVIへ展開します。
大きな流れとしては、
目的・現状整理
↓
顧客・市場・競合の理解
↓
提供価値・根拠
↓
ポジショニング
↓
ブランドアイデンティティ(ブランドコンセプト・プロミス・パーソナリティなど)
↓
Tone of Voice・VI
↓
Webサイト・営業資料・商品・サービスなどのブランド接点
と考えると整理しやすいでしょう。
なお、「BI」はBrand Identity以外にもBehavior IdentityやBusiness Intelligenceを意味する場合があります。ブランド設計の実務では、必要に応じて「ブランドアイデンティティ」「Brand Identity」と明記し、意味を共有したうえで進めることも重要です。国内のCIではBIをBehavior Identityとして扱う例があります。
VIやWebサイトを刷新するときも、デザインの好みだけで判断するのではなく、「何を表現するためのデザインなのか」までさかのぼって説明できる状態をつくることで、複数のブランド接点で一貫した判断をしやすくなります。
「ロゴやWebサイトを見直したいが、その前にブランドの方向性を整理したい」「理念や提供価値からVI・Webサイトまで一貫して検討したい」といった場合は、ドコドア株式会社へご相談ください。
弊社では、Web制作やアプリ開発で培ったデジタル領域の知見をもとに、ブランドの方向性整理からWebサイトへの実装、公開後の集客・運用まで一貫して支援しています。現在の課題や目的を整理したうえで、必要な施策と優先順位をご提案します。
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ドコドア 編集部
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