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GoogleのNotebookLMとは?基本機能と最新アップデートと始め方

GoogleのNotebookLMは、Googleが提供するAI搭載の情報整理・ノートツールです。複数ドキュメントから重要ポイントを抽出して要約し、資料内容に基づいた質問応答(Q&A)を行うことで、ユーザーの学習・研究・仕事を支援します。2024年6月から日本を含む200以上の国・地域で公開され、現在は日本語を含む35超の言語に対応しています。この記事ではNotebookLMで「何ができるか」を初心者にもわかりやすく紹介し、最新機能やアップデートも交えて、その活用方法を解説します。
目次
NotebookLMでできること:基本機能まとめ
NotebookLMは、AI(Googleの大規模言語モデル Gemini 系列)によってユーザーの資料理解を強力にサポートします。以下に基本機能をまとめます。
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複数資料の統合管理・要約: ノートブックごとにPDFやGoogleドキュメントなど複数の資料をまとめてアップロード可能です。NotebookLMは各資料から即座に「概要(サマリー)」を生成し、重要トピックやFAQ形式の要点まとめを表示してくれます。長文テキストや複数文書でも、5秒程度で主旨を把握できるブリーフィング(要約レポート)や学習ガイドが自動生成され、効率的なインプットが可能です。
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資料に基づくQ&A(質問応答): アップロードした資料をもとに、NotebookLMのチャット画面で自由に質問できます。AIが資料内容に即した回答を生成し、回答にはどの資料のどの部分に基づいたか引用(出典)が明記されます。例えば「この論文の結論は何ですか?」と尋ねると、該当箇所を引用しながら答えてくれるため、AI要約結果の信頼性を自分で確認できます。
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メモ作成・ノート機能: NotebookLM上では自分専用のノートブック(デジタルノート)を作り、AIが生成した要約やQ&Aの回答をノートとして保存できます。ユーザー自身が自由にテキストメモを追加することも可能で、従来のノートアプリのように情報を整理できます。NotebookLMが作成したブリーフィング文書・学習ガイド・FAQなども自動的にノートに保存されるので、後から見返したり編集したりでき便利です。また、特定のノートを選択して「このノート内容だけに基づいて質問」「このノートの要点を箇条書きにして」など、選択したメモに対する個別のAIアクションも可能です。
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AI音声での概要読み上げ(Audio Overview): NotebookLMのユニークな機能として、資料内容を音声対話形式で要約してくれる「音声概要」機能があります。選んだ資料群をもとに、まるでポッドキャスト番組のように2人のAIパーソナリティが会話しながら内容を解説してくれます。この音声概要はAIが自動生成したスクリプトに基づき合成音声で再生されるもので、初公開(英語版)直後から「非常にリアルで革新的」と好評を博しました。現在では50以上の言語で音声概要が利用可能になっており、日本語の資料から日本語のポッドキャストを自動作成することもできます。音声概要の再生中にマイクで話しかけてAIパーソナリティに追加質問し、対話を深めるインタラクティブモードもベータ提供されています。
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情報の可視化(マインドマップ): 2025年3月のアップデートで、資料内の主要トピック間の関係性を視覚化するマインドマップ機能が追加されました。例えば研究論文をNotebookLMに読み込ませると、関連するキーワード(例:「海洋酸性化」「温暖化」「汚染」など)がマップ上に展開され、テーマ全体の構造を直感的に把握できます。複雑なテーマでも概念同士の繋がりを見渡せるため、新たな発見や洞察を得る助けとなります。
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マルチモーダル対応: NotebookLMはテキスト情報だけでなく、画像や図表を含む資料にも対応しています。Gemini 1.5以降のAIモデルによる高度な視覚認識機能により、アップロードしたスライド内の画像・グラフ・図について質問することも可能です。例えばグラフの内容を解説したり、画像に写っているものを説明してもらうことができます。またNotebookLMの回答には必要に応じて画像付きの引用が含まれ、図表なども根拠として提示されます。これによりテキスト以外の情報源も含めた包括的な情報整理が行えます。
以上のように、NotebookLMは「資料をアップロード → AIが要約・対話 → ノートに整理」までを一貫して行えるAIノート整理ツールです。
NotebookLMの対応ファイル形式と他のAIツールとの違い
対応ファイル形式(ソース種類): NotebookLMは多彩な形式のコンテンツを取り込める柔軟性があります。公式ドキュメントによれば、Googleドキュメント、Googleスライド、PDF、テキストファイル(.txt)、Markdown、ウェブのURL、YouTube動画のURL(字幕付き公開動画)、音声ファイル(MP3やWAVなど)に対応しています。たとえばウェブ記事のURLをインポートするとページ内テキストがクロールされ資料化されます(※埋め込み画像や動画、ログインが必要な有料ページなどは除外)。YouTubeリンクの場合は自動で字幕を取得してテキストに変換し、内容を分析可能です。音声ファイルもAIがアップロード時に文字起こし(転写)し、テキスト化した上でノートブックに追加してくれます。対応言語も多数あり、日本語音声の文字起こしも問題なく行えます。このように、文章だけでなく動画や音声もテキスト情報として扱える点はNotebookLMの大きな強みです。
各ファイルには上限として50万単語 or 200MBという十分大きなサイズ制限が設けられており、長編の電子書籍や何時間もの音声データでも一つのソースとして扱えます(ただし非常に大きなデータの場合は処理に時間がかかったり、分割アップロードを推奨される場合があります)。
近年様々な生成AI・支援AIツールが登場していますが、NotebookLMはその中でも**「自分専用のリサーチパートナー」**的な位置づけでユニークな特長を持っています。他の代表的なAIサービスと比較しつつ、その強みをまとめます。
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ソースグラウンド型の回答: NotebookLM最大の特徴は、回答が常にアップロード資料に基づいている点です。ChatGPTやBing Chatなど一般的な対話AIは膨大な事前学習データから推測で回答しますが、NotebookLMはユーザーが与えたソース(根拠)を必ず参照して答えます。そのため「どこからその情報を持ってきたのか」が明確で信頼性が高く、常に出典確認が可能です。特に学術やビジネス用途で誤情報を避けたい場合に、NotebookLMの「透明性の高いAI」は大きな安心材料となります。
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ノートブック単位の文脈記憶: NotebookLMではノートブックごとに、資料と対話履歴が管理されるため、一貫した文脈でAIとやり取りできます。他のチャットAIではセッションを跨ぐと過去のやり取りを引き継げませんが、NotebookLMは各ノートブック内で過去のQ&Aや保存ノートを参照しながら深い対話が可能です。たとえば、前日に質問した内容を踏まえて追加質問したり、ノートにメモした考察を引用してもらうこともできます(もっとも、あまりに長い対話になるとモデルの記憶限界がありますが、そこはノートを介して補完可能です)。ノートブックはフォルダのように整理できるので、プロジェクトやテーマごとに会話を分けることで、ChatGPTのように毎回ゼロから説明する手間がありません。
NotebookLMの活用シーン(学習・研究・仕事でどう使える?)
NotebookLMはさまざまな場面で活用されています。学生から作家、ビジネスパーソンまで、**「大量の情報を素早く理解し活用したい」**というニーズに応えるツールです。いくつか具体例を紹介します。
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学習・受験勉強: 教科書や講義スライド、論文などをNotebookLMにアップロードすれば、重要ポイントの要約や学習ガイドを自動生成できます。不明点はそのまま質問すれば出典付きで解説してくれるため、参考書代わりのAI家庭教師のように使えます。実際、Googleによると多くの大学生がNotebookLMを勉強に活用しており、「膨大な教科資料から効率よく知識を得られる」と好評です。特に暗記科目の要点整理や、レポート作成前の資料読み込みに威力を発揮します。また、語学学習では外国語の文章を取り込んで日本語で要約させたり、逆に日本語の資料を英語で要約するなど、言語の壁を越えた学習も可能です。
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研究・論文執筆: 研究者や作家にとって、関連文献のレビューや資料分析は時間のかかる作業です。NotebookLMなら複数のPDF論文や書籍をまとめて読み込み、共通テーマや相違点を整理したブリーフィング資料を自動作成できます。インタビュー録の文字起こしをアップロードして要約・分析させることで、調査結果のパターン抽出や仮説構築にも活用できます。研究論文の図表について質問し、画像付きで説明を得ることもできるため、データ解釈の手助けにもなります。
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ビジネス・業務効率化: 社内資料や会議の議事録、業界レポートなどをNotebookLMに取り込めば、重要事項の見落としを防ぎながら素早く内容を把握できます。例えば、ある地方自治体職員は市の条例・土地利用データ・会議録をNotebookLMで統合し、地域ニュースレターの作成に活用しました。営業分野では、営業電話の録音を書き起こしてNotebookLMに分析させることで、顧客ニーズの傾向やトークの改善点を抽出し、トレーニング資料に役立てたケースもあります。さらに、非営利団体がコミュニティ調査データを整理して助成金申請資料をまとめる、といった使われ方も報告されています。
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アイデア創出・クリエイティブ: NotebookLMは真面目な用途だけでなく、創作や趣味の分野でもユニークな活用例があります。たとえばRPGゲーム愛好者は、自作のストーリー設定資料やルールブックをNotebookLMに読み込ませ、ファンタジー世界の設定管理に活用しています。膨大な設定情報から関連する要素を引き出したり、新たなストーリー展開のヒントを得たりと、創造的なブレインストーミングにも使えるようです。また旅行プラン作成では、観光情報サイトの記事をまとめて要約させ、効率よく旅程を立てるのに役立てるケースもあります。
以上のように、NotebookLMは「読む・調べる・まとめる」といったプロセスをAIで加速し、あらゆる分野の情報活用を支援します。
NotebookLM 初回セットアップ & 基本操作ガイド(画像付き)
1. Google 検索結果から NotebookLM にアクセス
- 検索バーに「notebooklm」と入力し、検索結果の先頭に表示される Google NotebookLM をクリックします。
- 画面右側のナレッジパネルに概要が表示されますが、そのまま中央のリンクを押して NotebookLM サイトへ移動してください。
2. ウェルカム画面で新規ノートブックを作成
- 「NotebookLM へようこそ」と書かれた画面が開きます。
- 中央にある黒いボタン 「+ ノートブックを新規作成」 をクリックします。
- ウィンドウ右上の Google アカウント切替アイコンで、使用したいアカウントになっているか確認してください。
3. 基本 UI の概要把握
ノートブックが作成されると、画面は左から ソース(資料)/チャット/Studio(メモ) の 3 列に分かれます。
ペイン | 役割 | 代表的な操作 |
---|---|---|
ソース | 資料管理 | 「+ 追加」でファイル/URL を取り込む |
チャット | AI への質問欄 | 下部の入力行に質問を入力し送信 |
Studio | 生成物・メモ | 学習ガイド・音声概要ボタンで自動生成 |
4. 資料(ソース)のアップロード
- 左ペインの 「+ 追加」 をクリックすると、モーダルが表示されます。
- 画面中央の雲アイコンにドラッグ&ドロップするか、下部の
- Google ドライブ(ドキュメント・スライド)
- リンク(ウェブサイト・YouTube)
- テキストを貼り付け
のいずれかを選んで資料を追加します。
- 対応形式は PDF / .txt / Markdown / mp3 など。アップロードが完了すると左ペインにタイトルが並びます。
5. AI から概要を受け取り、質問してみる
- 資料を入れると中央ペイン最上部に 「Introduction to NotebookLM」 など自動生成されたサマリーが表示されます。
- 確認後、チャット下部の 「入力を開始します…」 に日本語で質問を入力し、青い送信ボタン(紙飛行機アイコン)をクリックします。
- 返答には引用番号が付きます。番号をクリックすると該当資料の原文がハイライト表示され、根拠を即確認できます。
6. ノートに保存 & 追加アクション
- 回答欄の右上にある 「📌 メモに保存」 を押すと、Studio ペインの メモ リストに追加されます。
- Studio ペイン上部の 「音声概要」 を押せば、資料内容をポッドキャスト形式で自動読み上げするファイルが生成されます。
- 必要に応じて 「学習ガイド」「ブリーフィング・ドキュメント」「よくある質問」「タイムライン」 などのボタンを使い、目的に合った形式で情報を整理してください。
ポイント
- まずは小さな PDF や Web 記事を 1 本入れて試すと操作感をつかみやすいです。
- 出典付き回答を活用し、AI が示した根拠を必ず自分の目で確認するようにしましょう。
これで NotebookLM の基本操作は完了です。
2025年最新アップデート:NotebookLMの新機能と改善点
NotebookLMはリリース以来、ユーザーのフィードバックを取り入れて頻繁にアップデートされています。2025年5月までに判明している主な新機能・改善点をまとめます。
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NotebookLM Plus(有料版)の登場: 2024年末に、上級者・企業向けの有料サブスクリプション「NotebookLM Plus」が発表されました。Plus版では、無料版の全機能に加えて5倍以上の使用上限が与えられています(例: ノートブック数やアップロード可能な資料数が5倍)。さらに回答の文体や長さをカスタマイズできるオプション、チームでノートブックを共有して利用分析(閲覧や活用状況の確認)ができる機能、そして企業向けの強化されたデータセキュリティなど、プロ用途に嬉しい機能拡張が含まれています。有料版はまず企業や教育機関向けに提供開始され、一般ユーザー向けにはGoogle OneのAIプレミアムプラン(大容量ストレージサービスの上位プラン)に2025年初頭から含まれる予定です。なお通常の個人ユーザーは無料のNotebookLM(基本版)を引き続き利用できます。
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インタラクティブ音声モード: 前述の音声概要(Audio Overview)において、2024年末より対話型の「インタラクティブモード(ベータ)」が実装されました。音声概要の再生中に「Join(参加)」ボタンを押し、マイクから質問すると、まるでその場にいるガイドに尋ねるように追加解説を引き出せます。例えば音声概要で「熱帯雨林のアマゾンに関する説明」が流れている最中に「具体的な動植物の例を教えて?」と話しかけると、AIパーソナリティが一旦会話を中断し、新たな情報を付け加えてくれるイメージです。この機能はパーソナルチューターのような体験を提供します。ただし現時点では実験的な段階で、一時停止の間が不自然だったり不正確な内容が混じる可能性もあるため、徐々に改良しつつ提供範囲を広げている状況です。
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出力言語の選択&多言語対応強化: 2025年初頭より、NotebookLMでの回答や音声概要の出力言語を自由に選択できる機能が追加されました。NotebookLMの設定画面に「出力言語」オプションが新設され、これを変更することでチャット回答や音声概要が常に指定した言語で生成されます。例えば日本語の資料について英語で要約を作ったり、英語論文を日本語で解説させたりといった使い方が簡単にできます。またユーザーのGoogleアカウントの言語設定に応じて自動的に出力言語が選択される仕組みも導入され、デフォルトで日本語UI/日本語回答を得ることが可能になりました。このアップデートにより、日本語を含む50以上の言語で音声概要が利用できるようになり(前述)、多言語の資料を扱う授業でも各自の母国語で要点を聞けるなど、言語の壁を越えた情報アクセスが飛躍的に向上しました。
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マインドマップ機能の追加: 先述のとおり、2025年3月にはNotebookLM内でインタラクティブなマインドマップを生成する機能が追加されています。複雑なテーマの資料群をアップロードすると、AIが自動で関連キーワードや概念を抽出し、ノートブック内で視覚的なマップを生成します。ユーザーはこれをクリックしながら辿ることで、新たな繋がりや見落としていたトピックを発見でき、資料理解が深まります。例えば環境問題に関する複数レポートをまとめた場合、「気候変動」「生物多様性」「政策対応」などのテーマがマップ上に展開し、それぞれに関連するサブトピックも示される、といったイメージです。知識整理に役立つこの機能は、今後さらに発展が期待されます。
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モバイルアプリと新機能の展望: 2025年5月時点で、NotebookLMのスマートフォン向け公式アプリが間もなくリリース予定です。Android版・iOS版ともに2025年5月20日に公開予定で、外出先でもノートブックにアクセスして音声概要を再生したり、思いついたときにすぐ質問したりできるようになります。またGoogleは2025年の開発ロードマップとして、ノートブック内容からAI生成動画を作成する「Video Overview(動画概要)」機能の実験も示唆しています。短いアニメーション動画で資料の要点を伝える機能で、Googleの生成動画モデル Veo 2 を活用した数十秒程度のクリップを自動生成する構想です。さらに、他人が公開したノートブックを閲覧できる「Editor’s Picks」と呼ばれるコンテンツ共有セクションの存在も確認されており、将来的にはNotebookLMが知識共有プラットフォームとしての側面も持つ可能性があります。これらの新機能は毎年春のGoogle I/Oイベントで発表されることが多く、2025年もさらなるアップデートが予告されています。
まとめ
Google NotebookLM(ノートブックLM)は、AIがあなたのノートを一緒に整理し、知識を引き出してくれる画期的なツールです。情報の要約からQ&A、音声要約やマインドマップまで、搭載された多彩な機能により学習・研究・仕事の効率が飛躍的に向上します。基本的な使い方は資料をアップロードして質問するだけと簡単で、日本語にも対応しているため初心者でもすぐに使いこなせるでしょう。2025年現在、Plus版の登場や新しいインターフェース、多言語対応強化などアップデートも活発で、ますます便利になっています。
情報整理やAI学習支援に興味がある方は、ぜひ一度NotebookLMを試してみてください。例えば試験勉強のノートをまとめたり、長いレポートを読み解いたり、日々の調べ物を効率化したりと、AI要約・AIノートの威力を実感できるはずです。Google NotebookLMは今後も進化が続く期待のサービスです。最新機能をチェックしつつ、自分だけのAIノートアシスタントとして活用してみましょう。
ここまでいかがだったでしょうか?
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ドコドア 編集部
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