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NPOの広報戦略とは?共感を生み、支援につなげるための考え方

「活動には自信があるのに、なかなか支援が広がらない」
「SNSやWebで発信しているけれど、手応えが感じられない」
NPOや非営利法人の広報に関わっていると、こうした悩みに直面することは少なくありません。「良いことをしていれば、いつか伝わるはず」——そう信じて活動を続けていても、情報があふれる現代において、ただ待っているだけでは支援の輪は広がりません。
非営利法人の広報に必要なのは、単なる「活動報告」や「宣伝」ではありません。活動の背景にある物語を伝え、読み手の心を動かし、具体的な「支援」という行動に変えるための戦略的な設計図です。
この記事では、なぜNPOの広報が難しいのかという構造的な理由を紐解きながら、共感を生み出し、それを支援につなげるための具体的なステップを解説します。
なぜ、NPOの広報は難しいのか?
まず押さえておきたいのは、NPOにおける広報の役割です。
NPOの広報は、商品やサービスを売るための「宣伝」ではありません。活動を続けるために必要な資源、つまり支援者や担い手といった「仲間」を集めるためのコミュニケーションです。
この前提に立つと、NPOの広報が難しい理由が見えてきます。
一つ目は、活動の成果が見えにくいことです。
買い物と違い、寄付をしても支援者自身に直接的な見返りはありません。「自分のお金がどう役立ったか」が直感的に分からないため、行動のハードルが高くなります。
二つ目は、信頼のハードルの高さです。
寄付や支援をお願いする以上、「お金は適切に使われるのか」「本当に意味のある活動なのか」といったような疑念の声は避けられません。活動内容が良くても、十分な説明や情報開示がなければ、不安が先立ってしまいます。
三つ目は、「自分ごと」として捉えてもらいにくいことです。
社会課題はどこか遠い話に感じられやすく、「大切だとは思うけれど、自分が関わる理由までは見えない」という状態に陥りがちです。
こうした構造的な壁が重なり、NPOの広報は「届きにくい」ものになりがちです。だからこそ、NPOの広報では次に紹介するような「共感を生み、行動につなげるための設計」が重要になります。
「共感」を生み出すコンテンツの作り方
NPOの広報で最も重要なのは、「正しさ」や「実績」よりも、まず共感を生み出すことです。
そのために欠かせないのが、「この活動によって、誰の人生がどう変わったのか」を伝えるストーリーの視点です。
多くのNPOでは、事業内容や支援実績を数字や事実で丁寧に伝えようとします。もちろんそれらは重要ですが、それだけでは読み手の感情までは動かせません。
例えば、「〇人を支援した」という実績だけでなく、
・支援を受ける前にどんな課題を抱えていたのか
・支援によって何が変わったのか
・その変化が、本人や周囲にどんな影響を与えたのか
こうした一人ひとりの変化を描くことで、社会課題は「遠い話」から「身近な話」へと変わります。
あわせて伝えたいのが、“なぜこの活動をしているのか”です。
「なぜ、私たちはこの活動を続けるのか」という想いや原体験は、共感の大きな源になります。
そしてもう一つ重要なのが、情報の透明性です。
寄付の使い道や活動の進捗、運営体制をできるだけオープンにすることで、「応援しても大丈夫」という安心感が生まれます。共感は、信頼という土台があってこそ、行動へとつながります。
共感を生む広報とは、感動的に見せることではありません。活動の背景にある人や想いを丁寧に伝え、「この活動を応援したい」「自分も関わりたい」と感じてもらうこと。その積み重ねが、次の「行動」へとつながっていきます。
「行動」につなげるメディアの選び方
共感を生み出せても、それだけでは支援にはつながりません。広報で本当に重要なのは、適切なメディア選びとスムーズな導線設計です。
NPOの広報では、すべてのメディアを完璧に運用する必要はありません。大切なのは、それぞれの役割を理解し、目的に応じて使い分けることです。
まず、SNSは「共感の入り口」です。
活動の現場や日常の一コマなどを通じて、まだ団体を知らない人との接点を作りつつ、団体の空気感や想いを伝えることができます。継続的に発信によって、共感を積み重ねていきます。
次に、Webサイトは「信頼の土台」です。
SNSで関心を持った人が、活動をより深く知るために訪れるのがWebサイトです。活動内容や寄付の使い道など、「この団体は信頼できるか」を判断する拠点になります。
そして、メルマガやLINEは「関係を続けるための媒体」です。
一度関心を持ってくれた人に定期的に情報を届けることで、距離を縮め、支援や参加のタイミングを自然に作ることができます。
ここで重要なのが、行動への導線を分かりやすくすることです。寄付や申し込みの方法が分からなければ、共感はその場で止まってしまいます。
寄付ページへのリンクや申し込み方法は、できるだけシンプルに、迷わせない設計を心がけましょう。
共感を生み、信頼を積み重ね、行動につなげる。
その流れを意識してメディアを設計することで、広報は「発信」から「支援を生み出す仕組み」へと変わっていきます。
まとめ
NPOの広報は、単に活動を広く知らせることではありません。共感を生み、信頼を積み重ね、その先にある支援という行動へとつなげていくプロセスそのものです。
そのために、特に意識したいのが次の点です。
・なぜNPOの広報が届きにくいのかという構造を理解すること
・数字や実績だけでなく、活動の背景にあるストーリーや想いを伝えること
・メディアの役割を整理し、行動までの導線を設計すること
まずは「誰に、何を伝えたいのか」を見直し、一つのストーリーを丁寧に発信することから始めてみてください。その小さな積み重ねが、共感を仲間へ、そして持続的な支援へとつながっていくはずです。
ドコドア マーケティング部
有資格:Google広告認定資格、Googleアナリティクス個人認定資格など