- アプリ開発
アプリ開発にかかる期間は?流れとスケジュール通り制作するポイントを徹底解説

スマートフォンの普及に伴い、多くの企業や個人がビジネスやサービスの拡大を目的として自社アプリ開発に取り組んでいます。しかし、期待どおりの成果を得るためには、単に機能を充実させるだけでは不十分です。アプリ開発の期間をどのように設定し、アプリ開発のスケジュールを効率的に組むかが、最終的な品質やコスト、リリース時期に大きく影響します。
本記事では、実際にアプリ開発を行っているプロが、アプリ開発の期間や開発スケジュールを決定するうえで役立つノウハウを体系的に解説します。企画段階で必要となる期間の見積もりや工程管理、スケジュールを遅延させないための具体的な対策など、実践的な情報を豊富にまとめています。アプリ開発をスムーズに進め、理想的なリリースタイミングを逃さないために、ぜひ最後までご覧ください。
目次
アプリ開発にかかる期間
まずはざっくりジャンルごとのアプリ開発の期間を見ていきましょう。※ネイティブアプリでの開発期間になります。
ジャンル | 主な機能 | 平均的な開発期間の目安 |
マッチングアプリ | ユーザープロフィール制作、検索、フィルタリング、チャット、位置情報活用、通報・ブロックシステム | 6〜12ヶ月程度 |
ECアプリ | 商品一覧・詳細表示、カート機能、決済システム(クレジットカード・電子マネーなど)、在庫管理、クーポン配信 | 4〜8ヶ月程度 |
SNSアプリ | タイムライン表示、投稿・コメント・いいね、フォロー/フォロワー管理、通知機能、ライブ配信など | 6〜12ヶ月程度 |
企業公式アプリ | 会社情報・製品紹介、ニュース・プッシュ通知、問い合わせフォーム、SNS共有など | 2〜5ヶ月程度 |
業務管理アプリ | 在庫管理、勤怠管理、顧客管理、データ入力・レポート出力など(BtoB向けのケースが多い) | 3〜8ヶ月程度 |
学習系アプリ | 動画・テキスト教材配信、クイズ・テスト機能、学習履歴の可視化、オンライン授業(ライブ配信)など | 3〜8ヶ月程度 |
ゲーム系アプリ | 2D/3Dグラフィックス、サウンド演出、課金システム(ガチャやアイテム課金)、ランキング機能など | 3ヶ月〜1年程度 |
※上記はあくまで目安であり、実際の開発期間は要件定義や予算、チームのスキル、外部サービスとの連携状況などによって大きく変わります。
検索ツールや企業アプリなどの比較的簡単なアプリであれば、2〜3ヶ月と短期間で制作することができます。SNS系やマッチングアプリ、位置情報を扱うアプリなどでは、短くても6ヶ月はかかります。ただし、上記はあくまで目安であり、開発が順調に進んだ場合に限ります。トラブルが発生した場合は、さらに時間を要することになります。また、アプリの内容や種類、機能、開発に関わる人数などによっても、開発期間が左右されることを覚えておきましょう。
アプリ開発の期間・スケジュールを左右する3大基礎知識
まずはアプリの開発期間に大きな影響を与える3つのポイントを紹介します。
- 機能の複雑度と量
- 開発体制(チーム構成)とコミュニケーション
- 対応プラットフォームや技術選択
これら3大要素が、アプリ開発の期間を大きく左右します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. アプリの機能の規模と複雑度
最もシンプルですが、アプリの機能が増えたり複雑化したりするほど、開発に必要な作業量や考慮すべきケースが増えます。とくに、チャット機能や決済機能、SNS連携などは実装難易度が高めで、テスト工数も膨大になりやすいです。普段何気なく使っている便利な機能も実は膨大な開発期間やメンテナスの上に成り立っています。
具体例
- 小規模:情報表示や簡単な問い合わせフォームのみ ⇒ 比較的短期間
- 中規模:会員登録、EC、チャットなど複数機能 ⇒ 数ヶ月〜半年
- 大規模:SNS全体やオンラインゲームなど複雑機能多数 ⇒ 半年〜1年以上
2. 対応するプラットフォームや技術選択
こちらも大きな影響の出るところで、iOSとAndroidの両OS対応、あるいはハイブリッド(React Native、Flutter)などの技術を使うかによって、実装やテストの量が変わります。バックエンド連携やインフラ環境(AWS、GCPなど)をどうするか、セキュリティ要件をどの程度組み込むかも開発期間を左右します。
具体例
- 単一OS対応:テスト工数が比較的少なく、短期でリリースしやすい
- 両OS対応(ネイティブ):UI/UXを最適化しやすいが、OSごとの実装で工数が2倍近くになる場合も
- ハイブリッド開発:一度の実装で両OS対応しやすいが、ネイティブコードが必要になると複雑度が増す
- クラウド・プラットフォーム開発:テンプレートを利用することで短期間でリリースが可能。個別対応はできない場合が多い
3. 開発体制(チーム構成)とコミュニケーション
開発メンバーの数やスキルセット、外注の有無などによって、タスク分担やコミュニケーション方法が変わります。大人数で分担すれば早く終わりそうに見えますが、連絡コストや仕様のすれ違いも増えるため、かえって遅延の原因になる場合があります。
具体例
- 内製:コミュニケーションが取りやすく、修正がスムーズだが、リソース不足の場合は遅れがち
- 外注:専門家を活用できるが、契約手続きや仕様伝達に時間がかかる
- ハイブリッド:要件定義は自社、開発は外注など ⇒ 各フェーズで管理と連携が鍵
これら3大要素が、アプリ開発の期間を大きく左右します。開発をスタートする前に、「どの機能が本当に必要か」「どの体制で進めるか」「どのプラットフォームに対応するか」をしっかり検討しておけば、無理のないスケジュールと予算計画を立てやすくなるでしょう。
アプリ開発のスケジュールを組む4ステップ
続いては、アプリ開発の流れについて解説します。
初心者がアプリ開発の期間や開発スケジュールを考えるとき、まずはアプリ開発がどのような流れで進むのか、全体像を知ることが大切です。工程を理解しておくと、無理のない計画を立てやすくなります。
アプリ開発の代表的な工程
アプリ開発は、ざっくりと次の4つの工程に分かれます。
- 要件定義・規格
- 設計・デザイン
- 実装・テスト
- リリース・運用保守
それぞれの具体的な内容は次のとおりです。
1. 要件定義・企画(期間目安:1週間〜1ヶ月)
アプリを開発する目的やターゲットユーザーを決めます。その後、ユーザーのニーズを調査し、どの機能を実装するかを決めていきます。MVP(最小限の機能で動くアプリ)を意識することで開発期間を短縮することができます。
期間の目安
- 小規模アプリなら1〜2週間ほどで終わる場合も
- 大きなアプリや多機能アプリなら1ヶ月以上かけて綿密に話し合うことも
2. 設計・デザイン(期間目安:2週間〜2ヶ月)
ワイヤーフレームやプロトタイプを作成し、開発関係者と合意形成を行います。その後、UI/UXデザインを決定し、技術的な設計も進めていきます。
期間の目安
- シンプルなアプリなら2週間〜1ヶ月
- 大規模・複雑な要件だと2ヶ月以上かかることも
3. 実装・テスト(期間目安:1〜6ヶ月 ※規模による)
実際にコードを書き、アプリの各機能を開発します。その後、単体テストや結合テストで動作確認を実施し、不具合がないか検証します。開発規模によって期間が大きく変動します。
期間の目安
- 小規模で1〜3ヶ月程度
- 中〜大規模だと3〜6ヶ月、場合によっては1年近くかかることも
4. リリース・運用(申請は数日、運用は継続的に実施)
ストア申請を行い、リリースします。iOSは審査に数日〜1週間程度かかります。Androidは即日公開ができます。リリース後は、不具合修正やアップデートを定期的に行います。ユーザーからのフィードバックも積極的に取り入れ、改善を続けていきます。
期間の目安
- リリース自体は数日で完了するが、運用保守は長期的に続く
初心者がつまずきやすいアプリ開発期間のトラブルと対策
どんなに頑張ってスケジュールを組んでも、初心者にとっては想定外のトラブルが起こりがちです。以下では、その代表的な例と対処法を紹介します。
1. 仕様変更が多すぎる
- 原因
- 要件定義が甘く、「やっぱりあの機能も追加してほしい」と言われる
- 上司が新しいアイデアを思いつき、次々に要求してくる
- 対策
- MVP(必要最小限の機能)を先にリリースし、追加機能は後回しにする
- 仕様変更が来たときは、その影響度を都度見積もり、スケジュール再調整を行う
2. 要件定義が曖昧で手戻りが多発
- 原因
- 画面遷移や機能の詳細を決めずに開発を開始した
- 関係者間で完成イメージにズレがあった
- 対策
- ワイヤーフレームやプロトタイプを早めに共有し、具体的な画面をイメージしてもらう
- 曖昧な部分は、追加のヒアリングや会議で詰める
3. チーム内の連携不足で遅延
- 原因
- 開発メンバー同士のコミュニケーションが希薄
- 進捗状況を共有しないまま作業が進む
- 対策
- タスク管理ツールやチャットツールを使って情報をオープンにする
- 定例ミーティングや朝会を設けて、各自の進捗や問題点をこまめに確認する
アプリ開発をスムーズに進めるためのポイント
アプリ開発の期間を設定するときは、単に「このぐらいで終わるだろう」と直感で決めるのではなく、具体的なステップを踏んで見積もるのが重要です。
1. 機能リストを作り、工数を細かく見積もる
例えば、ログイン機能をID・パスワード認証、SNSログイン、パスワードリセットなどに分けて工数を算出します。その後作業量のイメージ化を行うため、開発経験があるメンバーや外注先と相談して、各機能にかかるおおまかな時間を算出します。
2. マイルストーン設定とガントチャート
進捗確認には、要件定義や設計、テスト完了などを節目とするマイルストーンを設定し、ガントチャートでタスクのスケジュールを可視化します。横軸に時間、縦軸にタスクを配置し、計画を見える化しましょう。
3. 余裕を持った開発期間を設定する
各工程に10~20%のバッファを設けることで、バグ修正や仕様変更などのリスクに備えた計画が可能になります。新しい技術を使う場合や不確定要素が多い部分は、特に多めに時間を見積もっておきましょう。
アプリ開発期間を短縮する実践テクニック
できれば短期間でアプリをリリースしたい人も多いでしょう。そんな場合に役立つテクニックを紹介します。
1. MVPで必要最小限の機能だけを先に開発
- MVP(Minimum Viable Product)
ビジネス上最も重要な機能だけ実装したアプリを先にリリースし、ユーザーや市場の反応を見ながら追加開発する手法 - メリット:
- リリースまでの「アプリ開発 期間」を短縮できる
- 早めに収益化やユーザー獲得を図れる
- 仕様変更の影響を最小限に抑えられる
2. プロトタイプでユーザーフィードバックを早期に取得
- プロトタイプ
実際のアプリを動かせるほどではないが、画面や操作感を試せる簡易的なモデル - メリット:
- 画面設計段階で改善点が見つかる
- 大幅な手戻りを防いでスケジュール遅延を抑える
3. アジャイルやスクラムで小刻みに開発・修正
- アジャイル開発
短い期間(スプリント)を区切って、少しずつ機能を完成させていく手法 - スクラム
アジャイル開発の代表的フレームワーク。チーム全員が同じ目標を共有し、定期的に振り返りを行う。 - メリット:
- 進捗をこまめに管理でき、問題を早期発見しやすい
- 仕様変更にも柔軟に対応可能
初心者におすすめの開発管理ツールと進め方
初心者にとっては、タスク管理やコミュニケーションが負担に感じることもあります。以下のツールや進め方を活用すれば、スケジュール管理がしやすくなるでしょう。
1. タスク管理ツール:BacklogやAsanaなど
- Backog
- カンバン方式でタスクを「To Do」「Doing」「Done」に分けられる
- 直感的に使いやすく、ドラッグ&ドロップでタスクの移動が可能
- Asana
- プロジェクト全体をリスト表示やガントチャート表示で管理
- チームメンバーの役割分担がわかりやすい
2. チャットツール:SlackやChatworkなど
- Slack
- チャンネルごとにトピックを分けて会話可能
- 外部サービスとの連携が豊富
- Chatwork
- シンプルなUIで、初心者でも使いやすい
- スレッド機能はないが、メッセージをタスクとして管理できる
3. オンライン会議やコラボツールの活用
- Zoom、Google Meet
- リモートワークでも顔を見ながら打ち合わせ可能
- 画面共有や録画機能で情報を共有しやすい
- Figma、Adobe XD
- 複数人で同時にUIデザインを編集できる
- プロトタイプを共有して操作感を確認できる
アプリ開発期間|まとめ
初心者がアプリ開発期間やアプリ開発スケジュールを考えるとき、以下のポイントを押さえておくとスムーズに進めやすくなります。
- アプリ開発の工程を理解する
- 要件定義・企画 → 設計・デザイン → 実装・テスト → リリース・運用保守
- それぞれに必要な期間や作業内容を明確にしておく
- 主要な影響要因を把握する
- 機能の規模や複雑度、開発チームの体制、対応プラットフォームの数で期間は大きく変わる
- スケジュールを工程ごとに区切る
- 要件定義、設計、実装、テスト、リリースと分けて期間を見積もる
- マイルストーンやガントチャートで進捗を管理すると見やすい
- トラブル対策を準備する
- 仕様変更が頻繁に起こりそうならMVPで最小限の機能だけ先行開発
- 要件定義をしっかり固めて手戻りを減らす
- チーム内のコミュニケーションを活発にして情報の行き違いを防ぐ
- 初心者におすすめの方法やツールを活用する
- TrelloやAsanaでタスクを管理し、Slackなどで随時情報を共有
- ZoomやGoogle Meetでオンライン会議を活用し、Figmaでデザインのコラボレーションを行う
初心者であっても、アプリ開発の基本的な流れとスケジュール管理の考え方を理解すれば、過度な遅延やトラブルを防ぎながら、理想のアプリを完成に近づけることができます。ぜひ本記事を参考に、無理のないアプリ開発期間と計画的な開発スケジュールを組み立ててみてください。最初は小さなアプリからでも、スムーズにリリースできると自信がつき、次の大きなプロジェクトにも挑戦しやすくなるでしょう。
スムーズにアプリを開発したいなら「ドコドア」
ここまで、アプリ開発にかかる期間やスケジュール通り制作するポイントをご説明しました。
アプリ開発は完成までに最短で1カ月、最長で1年以上の時間を要します。
しかし昨今ではニーズやトレンドの移り変わりが早く、制作に時間がかかればかかるほど事前に調査したニーズとアプリ公開後のニーズのズレが生じやすくなります。そのため、できるだけ短期間で制作できるに越したことはありません。
そんな時には、私たちドコドアにご相談ください。
ドコドアでは、全国1,600社以上のweb開発知見とロジックに基づくUI・UXデザインを強みとし、Flutterを用いたiOS・Androidアプリ開発により、一般的なアプリ開発に比べ最大1/2の工数での制作を実現しています。
B to B、B to C問わず様々な業界・業種での制作実績があり、アプリ開発のみならず要件定義からサービス企画・運用・CSまで、一貫したサポートの提供が可能なため、スムーズなアプリ開発が可能です。
また、スクラッチ型アプリの制作をはじめとし、最新の技術を用いたスマートフォンアプリ開発、AI開発、SalesforceをはじめとしたCRM構築など、お客様のニーズに合わせた様々なシステム開発に対応しております。
アプリ開発を検討されている方、アプリ開発会社選びで迷っている方は、お気軽にドコドアへご相談ください。
▼お問い合わせ・ご相談はこちら
https://docodoor.co.jp/lp_fullscratch/#contact
#アプリ開発#アプリ種類

ドコドア 編集部
EditTeam