- マーケティング
- 文章作成
コンテンツSEOとは? メリットやポイント、企業の利用例もご紹介
コンテンツSEOは、今や多くの企業が取り組んでいる重要なWebマーケティング施策の一つです。ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツをサイト内に構築し、継続的にアクセスを集めながら、利益に繋げていくことを目指すこの施策は、企業にとって必須の戦略と言えるでしょう。
本記事では、企業がSEO施策の一環としてコンテンツSEOに取り組む際に必要な情報を詳しく紹介します。
コンテンツSEOの概要や注目されている背景、そのメリットや取り組む際のポイントについても解説し、実際の企業の利用例もご紹介します。
コンテンツSEOの効果的な実践方法を理解し、自社のマーケティング戦略に役立てていただければ幸いです。
目次
「コンテンツSEO」とは
「コンテンツSEO」は、ユーザーの検索意図を満たす高品質な記事コンテンツを作成し、検索エンジンからの評価を受けて上位表示を目指すSEO施策の一つです。
これにより、継続的にサイトへのアクセスを増やし、最終的に資料請求、会員登録、購入などの、コンバージョン(利益につながるアクション)へと繋げることができます。
「コンテンツ」とは、ユーザーが時間やお金を投じても価値があると感じる情報やサービスを指します。
コンテンツSEOにおいては、ユーザーが「読む価値がある」と思えるような有益なコンテンツを作成し、それを適切に届けることが求められます。
また、SEOの観点からは、ユーザーだけでなくGoogleのアルゴリズムにも好まれるコンテンツを作成する必要があります。
SEO(Search Engine Optimization)は「検索エンジン最適化」を意味し、検索エンジンで正しく評価されるサイトを作り、ユーザーに良質なコンテンツを提供するための対策を指します。
SEO対策は大きく分けて二つの領域があります。
ひとつは、キーワード選定やコンテンツ作成、リライト・メンテナンスといったコミュニケーション領域、もうひとつは、サイト構造や構造化データ、内部リンク、読み込み速度の改善といったテクニカル領域です。
コンテンツSEOは、こうしたSEOの一環として、継続的に良質なコンテンツを発信することで検索エンジンからの集客を目指します。
Webマーケティングの現代において、コンテンツSEOを理解せずに検索エンジンから効率的に集客することは困難です。
各検索キーワードに対応するコンテンツを整備し、アクセス数の増加を図ることで、企業のオンライン上における存在感を強化することができます。
このように、コンテンツSEOはユーザーのニーズを満たしながら検索エンジンからの評価を得るために、継続的かつ戦略的にコンテンツを発信し続けることが重要です。
「コンテンツマーケティング」との違い
「コンテンツSEO」と「コンテンツマーケティング」は、言葉が似ているため混同されがちですが、それぞれ異なるアプローチを持つ施策です。
「コンテンツマーケティング」は、ユーザーに対して価値ある情報やコンテンツを提供し、関係性を築くことで、最終的に顧客を自社のファンやリピーターにすることを目指すマーケティング手法です。
この手法では、ブログ、メルマガ、SNS、動画など、多様なチャネルを活用してコンテンツを発信し、顧客との信頼関係を構築していきます。
コンテンツマーケティングでは、見込み顧客に対して、商品やサービスに関する情報をタイムリーに提供し、購入へと繋げることが重視されます。
最近では、マーケティングオートメーションツール(MAツール)を活用して、見込み顧客の属性に合わせた施策を行うことが一般的です。
一方、「コンテンツSEO」は、コンテンツマーケティングの手法の一つであり、主にSEO対策に特化しています。
コンテンツSEOでは、ユーザーの検索意図に基づいた高品質なコンテンツを作成し、検索エンジンの上位に表示されることを目指します。
この施策により、自然検索からの集客を増やし、最終的にコンバージョンを狙います。
コンテンツSEOでは、検索エンジンのアルゴリズムに沿ったキーワード選定やコンテンツ構成が重要です。
まとめると、コンテンツマーケティングは幅広いチャネルを用いて顧客との関係を築きながら集客を目指す手法であり、コンテンツSEOはその中で特に検索エンジンを利用して集客を図る施策です。
つまり、コンテンツSEOはコンテンツマーケティングの一部として位置付けられ、SEOに焦点を当てた施策であると言えます。
コンテンツSEOが注目されている背景・理由
コンテンツSEOが注目される背景には、検索エンジンの進化とユーザーの情報取得方法の変化があります。
特に、Googleのアルゴリズムのアップデートが大きな要因です。以前は、ブラックハットSEOと呼ばれる手法が幅広く用いられていました。
これには、質の低いコンテンツの順位を不正な方法で上げる技術が含まれていました。
具体的には、大量の被リンク設置やコピーコンテンツ、不自然なキーワードの詰め込みなどが行われていましたが、これらの手法はGoogleによって取り締まられました。
ペンギンアップデート(2012年導入)は、悪質なリンク操作を行うサイトの順位を引き下げることを目的としたもので、無関係なリンクや隠しリンクが対象となります。
一方で、パンダアップデート(2011年発表)は、低品質なコンテンツを取り締まり、信頼性の高い良質なコンテンツを上位に表示することを目指しました。
これにより、質の高い情報を提供するサイトが優遇されるようになりました。
これらのアップデートにより、コンテンツの質がより重要視されるようになり、検索エンジンのアルゴリズムが精度を増しました。
結果として、ユーザーの利便性を最優先に考えたコンテンツが上位表示される傾向が強まりました。
Googleは、ユーザーをだます行為や不正行為を排除し、役立つ情報を提供するサイトを評価するようになりました。
また、コンテンツSEOが注目される理由の一つには、Googleの検索エンジンが進化し、単なるテクニカルな施策だけでは上位表示が難しくなったことが挙げられます。
質の高いコンテンツを継続的に発信することが、検索エンジンからの集客において重要な要素となっています。
コンテンツSEOは、ユーザーの検索意図を正確に捉え、有益な情報を提供することで、自然検索からのアクセス数を増加させる施策です。
さらに、コンテンツSEOは、テクニカルなSEO対策と組み合わせることで、より効果的に成果を上げることができます。
良質なコンテンツだけではなく、サイトの構造や読み込み速度などの技術的な要素も併せて最適化することが、長期的な成功には不可欠です。
このように、コンテンツSEOはユーザーのニーズに応じた高品質なコンテンツを提供することで、検索エンジンからの評価を得るための重要な施策として注目されています。
コンテンツの質と正しいSEO戦略を理解し、辛抱強く取り組むことで、より良い成果を期待できるでしょう。
コンテンツSEOのメリット
1. 継続的なアクセスの確保
コンテンツSEOの最大の利点は、サイトへのアクセスを継続的に集められることです。
SNSでの投稿は一時的な効果しか期待できませんが、検索エンジンで上位表示されるコンテンツは長期間にわたって安定した流入を見込めます。
たとえば、あるキーワードで検索結果の1位に表示されれば、そのキーワードに関連するさまざまな検索からのアクセスが期待でき、安定した集客が可能です。
2. 広告費用を抑えた集客
コンテンツSEOは、広告費用をかけずに集客できる点も大きなメリットです。
広告のパフォーマンスが低下したり、アカウントが停止されるリスクもある中、コンテンツSEOを活用すれば、無料でサイトへの流入を得ることができます。
安定的に集客できる手法として、非常に魅力的です。
3. 潜在顧客へのアプローチ
コンテンツSEOは、潜在的なニーズを持つ見込み顧客にアプローチする力があります。
ユーザーが抱える悩みや疑問に対する情報を提供することで、自社のサービスに興味を持ってもらえるチャンスが増えます。
たとえば、「コンテンツSEO 効果」などの検索キーワードに関連するコンテンツを提供することで、ユーザーに新たな気づきを与え、潜在顧客を引き寄せることができます。
4. 信用の構築とブランディング
コンテンツSEOを通じて、サイトや運営企業の信用を高めることができます。
良質なコンテンツを定期的に公開することで、「このサイトは信頼できる」という評価を得やすくなります。
また、特定のテーマで上位表示を目指すことで、自社の専門性や信頼性を確立し、ブランディング効果を高めることも可能です。
5. SNSでの拡散効果
優れたコンテンツは、SNSでのシェアや拡散を促進します。
興味深い、または有益な情報が含まれたコンテンツは、読者にシェアされる可能性が高くなり、その結果としてさらに多くのユーザーにリーチすることができます。
SNSでの拡散は、Webサイトへの流入を増やし、自然な被リンク(外部のページやサイトに自社サイトのリンクを貼ってもらうこと)も獲得するチャンスを広げます。
6. 長期的な集客効果とコストパフォーマンス
コンテンツSEOは、長期間にわたって安定的な集客が可能です。一度公開したコンテンツは、削除しない限り半永久的に検索エンジンに表示され続けるため、長期的な視点での費用対効果が高くなります。
制作費用も比較的低く、外注しても安価で済むため、投資に対して持続的なリターンが期待できます。
7. 顧客育成と関係維持
コンテンツSEOは顧客育成(ナーチャリング)にも有効です。
潜在層から顕在層まで、購買意欲の段階に応じたコンテンツを提供することで、ユーザーの関心を段階的に高め、最終的に購入に繋げることができます。
コンテンツを通じて関係を築き、信頼を深めることで、顧客のロイヤリティも向上します。
8. 商談やプレゼンでの活用
自社のサービスや商品に関連するコンテンツは、商談やプレゼンの際にも役立ちます。
提供する資料や提案書に、コンテンツSEOで得た知見や情報を活用することで、より説得力のあるプレゼンが可能になります。
コンテンツの質が高ければ、自社の専門性をアピールしやすくなります。
コンテンツSEOに取り組む手順
1. 目的と目標の設定
コンテンツSEOを実施する目的を明確にし、具体的な目標(KPI)を設定することで、施策の方向性が統一され、効果測定も容易になります。
例えば、「ブランド認知度の向上」や「特定商品の売上増加」を目指す場合、コンテンツの内容や方向性が異なります。
2. ターゲット分析
自社の商品やサービスを、ユーザーの視点から分析します。
ターゲットユーザーの属性やニーズに応じたコンテンツを制作することで、より効果的な集客やコンバージョンにつながります。
競合のサイトを参考にし、どのようなコンテンツが成功しているかを調査するのも有効です。
3. キーワード選定
適切なキーワード選定は、コンテンツSEOの根幹です。以下のステップで進めます。
・ユーザーの検索意図を理解する
ユーザーが何を知りたいのか、どのような情報を求めているのかを把握します。
・キーワード候補を洗い出す
ツールを使って多くのキーワード候補をリストアップします。
・キーワードを絞り込む
検索ボリュームや競合の強さを考慮して、最も効果的なキーワードを選びます。
・競合のキーワード分析
上位に表示されている競合のキーワード戦略を分析し、自社のキーワード戦略に活かします。
・テーマ決定と競合ページ調査
キーワードに基づいてコンテンツのテーマを決定し、競合のコンテンツの傾向を調べます。
4. 記事構成案の作成
記事を書く前に、構成案(プロット)を作成します。以下の要素を含めると良いでしょう。
・ユーザーの検索意図を探る
・上位競合を調査する
・見出しの作成
大見出し、中見出し、小見出しを設定し、情報の流れを整理します。
5. コンテンツの執筆
コンテンツを書く際のポイントは以下の通りです。
・上位サイトの傾向を参考にする
上位表示されているサイトの内容を参考にし、何が評価されているのかを分析します。
・オリジナリティ
独自の視点や情報を加え、他のコンテンツと差別化します。
・可読性の確保
読みやすい文章を心がけ、適切に画像や動画を挿入します。
・情報の網羅性
ユーザーの検索意図を満たすために、必要な情報をすべて含めます。
6. 内部SEO施策
コンテンツが高品質でも、内部SEOが適切でなければ評価が下がる可能性があります。以下の要素を最適化しましょう。
・titleタグ
・descriptionタグ
・見出しタグ
・リストタグ
・altタグ
7. 記事の校閲
誤字脱字や情報の信憑性を確認し、コンテンツの品質を高めます。
また、SEOにおける重要な要素が含まれているかもチェックします。
8. 順位計測とリライト
公開後は、キーワード順位を継続的に計測し、順位が上がらない場合はリライトを行います。
記事の改善点を見つけて修正し、より良い結果を目指します。
取り組む際のポイント
1. 文字数と情報の網羅性
検索上位を目指すための最適な文字数は一概には決まっていませんが、ユーザーが求める情報を網羅し、深く掘り下げることが重要です。
一般的に、質の高い記事は2,000〜5,000文字程度が理想とされています。
これはユーザーのニーズに応えるために必要な情報量を確保するためです。
文字数を意識するよりも、内容の専門性や情報の包括性に注力しましょう。
2. 自然なキーワードの使用
キーワードを適切に使用することはSEOの基本ですが、不自然な使い方は避けるべきです。
キーワードはタイトル、メタディスクリプション、見出し、本文に自然に織り交ぜることで、ユーザーと検索エンジンの双方にとって分かりやすいコンテンツになります。
例えば、「✕✕を実施することで、✕✕のメリットが得られます」というような無理なキーワードの詰め込みは避けましょう。
3. 魅力的なタイトルと見出し
タイトルは、ユーザーが検索結果で最初に目にする部分であり、興味を引くための重要な要素です。
メインキーワードを前半に配置し、記事の内容やメリットを明確に伝えることがポイントです。
見出しも同様に、記事全体の構成を分かりやすくし、ユーザーの興味を引き続けるために工夫しましょう。
4. 専門性とわかりやすさ
記事の本文は、タイトルや見出しと関連する内容で構成されている必要があります。
専門的な内容であっても、わかりやすい言葉で説明し、冗長な表現は避けて簡潔に伝えることが求められます。
また、数値や固有名詞を使って具体的な例を示すと、ユーザーにとって理解しやすくなります。
5. E-A-T(専門性、権威性、信頼性)
Googleは、E-A-T(Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness)を重視しており、これらの基準に基づいたコンテンツ作りが重要です。
信頼性のある情報源を引用し、オリジナルかつ専門的な視点を提供することで、検索エンジンからの評価を高めることができます。
6. 内部リンクと視覚的要素
内部リンクを効果的に活用することで、関連するコンテンツ間のナビゲーションを向上させ、ユーザーの滞在時間を延ばすことができます。
また、画像や図表を適切に挿入することで、視覚的に見やすく、情報の理解を助けることができます。
ただし、画像はオリジナルのものを使用するか、フリー素材を選び、視覚的なオリジナリティを確保しましょう。
7. コピーコンテンツの回避
他サイトからのコンテンツのコピーは厳禁です。
コピーコンテンツは検索順位を下げるだけでなく、ペナルティのリスクもあります。
オリジナルの情報を提供し、他サイトの内容をそのまま転載しないように注意しましょう。
企業の利用例
イーベイ・ジャパン株式会社
イーベイ・ジャパン株式会社は、2019年から「AIアナリストSEO」を導入し、オーガニックトラフィックの増加に成功しました。
同社はSEO施策を強化し、Webサイトのアクセス数とユーザー数を約1.5倍に増加させました。
特に、Googleアナリティクスでの上位ページに自社のコラムがランクインするなど、コンテンツの質を向上させた結果、コンバージョン率も向上しました。
また、キーワードに対するクライアントの意見を取り入れ、抵抗のあるキーワードでも積極的に執筆し、メリットを提示するアプローチが効果を上げています。
クックパッド株式会社
クックパッド株式会社では、キーワード調査を通じてユーザーニーズを分析し、それに基づいたコンテンツを制作しました。
公開後もコンテンツの順位を細かくチェックし、要素の追加やタイトルの調整、内部施策などを行い、サイトのアクセス数を約1ヶ月で大幅に向上させています。
この結果、ユーザーのニーズに合致した内容を提供することで、SEO効果を最大化しました。
第一生命保険株式会社
第一生命保険株式会社は、生命保険に関する基礎知識や選び方を提供するオウンドメディア「ほけんの第一歩」を運営しています。
保険業界の競合が多い中で、質の高いコンテンツが評価され、検索エンジンでの上位表示を獲得しました。
これにより、同社の信頼性と専門性がSEO対策においても重要な役割を果たしていることが確認されました。
サッポロビール株式会社
サッポロビール株式会社は、ワインに関するオウンドメディア「WINE OPENER」を立ち上げ、ビールに強いブランドイメージからワインへの認知を拡大しました。
このメディア戦略により、ワイン関連のコンテンツが注目され、目標を超えるセッション数を達成しました。
株式会社メルカリ
株式会社メルカリは、自社採用メディア「Mercan」で従業員インタビューや企業理念に関する情報を発信しています。
これにより、同社の社内環境や企業文化に興味を持つ求職者が増加し、結果的に従業員数の増加に繋がっています。
北欧、暮らしの道具店
北欧、暮らしの道具店は、「北欧インテリア」や「北欧食器」などのキーワードで検索上位に位置するECサイトです。
スタッフによる商品レビューや季節行事に関するコラムを発信し、SNSフォロワー数も120万人を突破するなど、SEO以外のコンテンツ発信でも成功しています。
PMSラボ(大塚製薬株式会社)
PMSラボは、大塚製薬株式会社が運営するPMSに関する情報発信サイトです。
医師の監修を受けることで記事の信頼性を高め、PMSに関する検索結果で上位を維持しており、医療関連情報の信頼性がSEOにおいて重要であるといえます。
まとめ
今回の記事では、コンテンツSEOの概要やメリット、取り組む際のポイント、企業の利用例などについて詳しく解説しました。
コンテンツSEOは、質の高いコンテンツを作成し、検索エンジンで上位表示を狙う施策です。
一度良質なコンテンツを作れば、継続的にアクセスを集めることができ、長期的な集客効果を得られます。
ただし、成果が出るまでには時間と労力がかかるため、計画的に取り組むことが重要です。
Googleのアルゴリズムは常に進化しているため、コンテンツSEOに終わりはありませんが、効果的なコンテンツを作成し続けることで、ビジネスに大きなメリットをもたらすことができます。
ユーザーと検索エンジンの両方を意識しながら、質の高いコンテンツを提供していきましょう。
ドコドア 編集部
EditTeam