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Drupal7移行|2025年1月5日にサポートが終了|EOS後企業がとるべき対応について解説
Drupal7のサポート終了期限である2025年1月5日が近づいてきています。CMSの機能の他にもアプリケーションフレームワークの機能も持つなど多機能で知られるDrupal7。
これまでサポート期限の延長が2回発表されていましたが、今回の期限が最後であることが明言されています。
本記事では、Drupalシリーズの現状・Drupal7の問題点に加え、Drupal7からの移行まで解説しています。
目次
Drupal7のサポートが2025年1月5日に終了
実は、Drupal7のサポートが2025年1月5日に終了することは2023年段階で公表されていました。(公式アナウンス)
Drupal7のサポート期限については、2023年に発表されるまで、2020年と2022年の
2度にわたってサポートの延長が発表されています。
そのため、2025年のサポート終了も延長されるのではないかと考えるユーザーも少なからずいたのではないでしょうか。
しかし、最新の発表では再延長は行わないことが明言されています。
公式からサポートが終了するとどうなるのか|Drupal7の問題点
公式からのサポートが終了した2025年以降、Drupal7はどうなってしまうのでしょうか。公式アナウンスを元に解説します。
脆弱性に対する修正・アップデートが行われなくなる
CMSに限らず世の中のアプリケーションやシステムなどプログラムには脆弱性の問題がつきまといます。セキリュティ上の脆弱性やシステム上での脆弱性など、脆弱性を放置すると利用する上で必ず問題を引き起こします。
そのため、現在リリースされ、利用されているものは公式・開発者から継続的にサポートされていることがほとんどです。定期的な脆弱性診断、修正、アップデートで安全性・利便性を確保しているのです。
ところがDrupal7は公式からのサポートが終了してしまうためこの脆弱性が放置されてしまいます。
すると、セキリュティ上の問題や利用上の問題が多数発生しても、改善されることがないため、これまで通りに利用することが難しくなってしまうのです。
Drupal7に関連したモジュールなどもサポートが終了する
Drupal7を利用する上で欠かせない拡張要素であるモジュール。Drupal7で構築されているWebサイトは便利なモジュールも同時に活用されて構築されています。
このモジュールやテーマなどもDrupal7と同様にサポートが終了してしまいます。
このように、Drupal7を使い続けることはセキリュティ上での問題があるだけでなく、利便性にも悪影響が発生してしまうことが公式からアナウンスされています。
2025年のサポート終了後もDrupal7を使い続けることは得策とは言えないでしょう。
Drupal7とDrupal8|Drupalシリーズの現状
ここまで記事をお読みになった方で「Drupal7がダメになるなら後継バージョンにアップデートしたらいいんじゃない?」と思われた方もいるかもしれません。
確かに多くのアプリケーションやシステムなどで後継バージョンへアップデートすることで解決できますが、Drupalにはそのようにいかない理由があります。
理由1:Drupal7とDrupal8以降は似て非なるもの
Drupal7からDrupal8へ、バージョンアップされる際に、Drupal7から大きく変更があった箇所が多く、Drupal7を利用していたユーザーが快適にDrupal8を利用できるとは限りません。
内部構造や運用に必要な知識などが変わっており、その変化は別のCMSと考えられるほど大きいものです。
理由2:Drupal7とDrupal8以降には互換性がない
多くのアプリケーションやシステムにおいて、前バージョンと後継バージョンには互換性があることが多く、バージョンアップ作業に必要な負担は小さめです。
しかし、Drupal7とDrupal8以降には互換性がないため、バージョンアップする際には大きな負担がかかってしまいます。
Drupal7からDrupal11へバージョンアップする負担とDrupal7から他社CMSであるWordpressへ移行する負担はほぼ同等と言えるでしょう。
理由3:Drupalシリーズのユーザーは減少傾向
オープンソースソフトウェアであるDrupalシリーズのユーザーは減少傾向にあります。Drupal7の最盛期には100万サイト以上の利用規模を誇っていましたが、Drupal8以降では、ターゲット層の変更・バージョンアップの煩雑さなどからユーザーが離れ、Drupal7のピークには遠く及びません。
オープンソースソフトウェアにとってユーザーの減少は致命的です。ユーザー同士のコミュニティが活発でなくなってしまうことで、ソフトウェアについて提供される情報量が減少する上、利用体験にも悪影響が生じてしまいます。
Drupal7からDrupal後継バージョンへのバージョンアップが簡単でないこともあり、2025年のサポート終了はこれからのDrupal利用を検討する良いタイミングと言えるでしょう。
Drupal7からDrupal10・Drupal11や他のCMSなどへ移行する際の検討ポイント
Drupal7からDrupal10・Drupal11や他のCMSなどに移行する際には以下のポイントを確認しましょう。
Drupal7で運用しているサイトはどのような機能があるのか分析・調査
前述したとおり、Drupal7はCMSの機能の他にもアプリケーションフレームワークの機能も搭載した多機能なソフトウェアといえます。
そのため、現在Drupal7で運用しているサイトはCMSの機能を主に運用しているのか、はたまた、アプリケーションフレームワークの機能の方が多めで運用されているのか、現状を正しく把握することが大切です。
CMSとしての機能が多いのならば後述するWordpressなど、アプリケーションフレームワークとしての機能が多いのならばLaravelなどといったように移行先を正確に検討するためにもこの分析・調査のステップは欠かせません。
移行目的の検討
ただ単に現行のDrupal7で運用しているサイトを別のシステムで再現するだけなのか、リニューアルタイミングと捉え、さらなるブラッシュアップを狙うのかといったように移行する目的も検討しておくとスムーズなコミュニケーションにつながります。
特にDrupal7からDrupal10・Drupal11へバージョンアップする際に、別のシステムへ移行する際と同程度の負担が必要な今回のケースにおいては検討する価値があります。
依頼するパートナー企業の検討
現行サイトの状況把握・移行先・移行目的がはっきりしたら依頼する企業を検討しましょう。
状況把握・移行先の検討が自社だけでは難しい場合には依頼するパートナー企業とともに検討することも考えられます。
移行の成否を分ける大きな要素であるパートナー検討。Drupalについての知識があるか、移行先のシステムの知識があるか、コミュニケーションは円滑かなどさまざまな要素を比較検討しましょう。
Drupal7からのおすすめ移行先
こちらではDrupal7から移行する際におすすめの移行先について解説しています。
WordPress
世界・日本トップシェアを誇るオープンソースCMSであるWordpress。日本では約8割のシェアを占めており、これからのユーザー数は低く見積もっても横ばいです。
ひとつ前のセクションで説明したオープンソースソフトウェアと利用ユーザー数の関連という観点から見ても問題ないどころか良い傾向にあります。
注意したい点として、DrupalがCMSとアプリケーションフレームワークのどちらも備えているのに対し、WordPressはCMSとしての機能が主となっていることがあげられます。
現在のDrupalの運用状況と照らし合わせて検討することが必要です。
Adobe Experience Maneger
日本シェア2位のCMSであるAdobe Experience Manager。WordPressやDrupalとは異なり、企業が提供しているCMSです。
オープンソースソフトウェアではないため、提供元企業によるトラブル時などのカスタマーサポートも充実しています。
新しくオープンソースソフトを導入するためのリソースが確保できない時に検討するとよいでしょう。
Laravel
PHPのアプリケーションフレームワークとして高い知名度を誇るLaravel。
DrupalがCMSとアプリケーションフレームワークの両方の機能を持っているため、CMSのみでは対応できない、多機能で複雑なWebサイトを運用している際におすすめの選択肢です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
本記事ではDrupal7について知っておきたいことを解説しました。
皆様のお役に立てていれば幸いです。
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ドコドア 編集部
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