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プロンプトとは?ChatGPTを活用するために知っておきたいキホン

突然ですが、「プロンプト」という単語はご存知でしょうか?

プロンプトとは、「促す(もの)」という意味の英単語で、IT分野ではシステムの操作時に入力や処理などを促す文字列などをこのように呼ぶ。

IT用語辞典e-wordsより引用

また、生成AI(Generative AI)の分野においては、

対話型の生成AIシステムでは、利用者からAIに与える、生成内容などを指示する文字列のこと

IT用語辞典e-wordsより引用

という意味を持っている単語が「プロンプト」です。

今回の記事では生成AI(Generative AI)の分野にフォーカスし、ChatGPTを例にプロンプトの活用の方法をご紹介します。

チャットボット系の生成AIに触れはしたけど…

「全然正確じゃなかった!」「とんちんかんな回答が返ってくる!」「コレジャナイ…」と思った方はぜひ今回のポイントを押さえてもう一度使ってみてください!

この記事のポイントを押さえることができれば「欲しい情報」を得ることができますよ。

"GPT best practices"|GPTから「欲しい情報」を得るために

GPT best practices

”GPT best practices”と題された、GPTを上手に活用し、効率的に正確な回答を得るためのノウハウがChatGPTの開発元のOpenAI社から紹介されています。(原文はこちら

こちらのページで紹介されているポイントは最新モデルであるGPT-4(月額20ドル)向けとして紹介されていますが、GPT-3.5(無料)でも活用できるポイントもありました。

以下、4つご紹介します。

明確な指示を書く(Write clear instructions)

ChatGPTに質問をするときには詳しく、明確な、わかりやすい指示をプロンプトとして入力することが推奨されています。

例えば

「会議のメモを要約してください。」

というプロンプトよりも

「会議のメモを要約してください。そのときには、発言者を区別して要約し、最後にこの会議で決定された事項についてまとめてください。」

というようにやって欲しいことをわかりやすく、噛み砕いてプロンプトにした方がより正確な回答が返ってくるようです。

こちらを日本の総理大臣とアメリカの大統領について試してみました。

このように「日本の総理大臣はだれですか?」と入力すると、いつの総理大臣かどうかは考慮せず、最新の総理大臣について教えてくれます。

GPT_sub1

そこで「〇〇年の日本の総理大臣は誰ですか?」と入力してみます。

GPT_sub2

その方が、自分の「欲しい情報」に近い情報を得ることができます。

また、このように「大統領は誰ですか?」と入力するよりも

GPT-sub3

「〇〇の大統領は誰ですか?」と入力した方が「欲しい情報」に近づきます。

GPT-sub4

(日本で暮らしていると大統領といえばアメリカの大統領となってしまいがちですが、大統領制を導入している国はアメリカの他にも多く存在しているため、ChatGPT君は困惑してしまうようです。)

また、明確な指示を書くときに覚えておきたいポイントは区切りを使用することです。

文章をベタ打ちしてしまうと、どこからどこまでが指示の内容で、どこからどこまでが指示の対象となっているテキストなのか、ChatGPT君は困惑してしまいます。

そのため、区切りとなる文字や線を利用し、「指示」と「指示の対象」を分けてあげることが重要です。

区切り文字には#(ハッシュ)や*(アスタリスク)、-(ハイフン)、=(イコール)、~(チルダ)、_(アンダーバー)、”(引用符)などが使用できます。

区切り線として、-(ハイフン)を連続させることで区切り線として認識してくれます。

参考テキストを提供する(Provide reference text)(有料版のみ)

現在のChatGPT(筆者は無料版のGPT-3.5を利用しています。)において、情報のカットオフは2022年1月となっており、それ以降の最新の情報はChatGPTのデータベースに含まれていません。そのため、最新の情報を使用した質問には答えることができません。

ですが、有料版であるGPT-4のみに実装されているウェブブラウジング機能を利用すると最新の情報をキャッチアップさせ、回答に反映させることができるようです。

筆者の無料版GPT-3.5ではこのように表示されました。

GPT_sub5

複雑なタスクを簡単なタスクに分割する(Split complex tasks into simpler subtasks)

複雑なタスクを簡単なタスクの複数個に分割し、同じ結果を求めるという方法があります。

この方法を使うことによって、ユーザーが求めている方法で問題について思考させ、結果を導き出させることができ、より「欲しい情報」に近づけることができます。

今回は因数分解について聞いてみました。中学3年生で初めて学習する因数分解。「今でもちゃんとできる」、「名前だけは覚えている」などさまざまな方がいらっしゃるのではないでしょうか?

プロンプトに「わかるように」と入力しても少し不親切な回答が返ってきます。

GPT-sub6

このまま中学生に因数分解を教えてもわかる子とわからない子が出そうな絶妙なラインです。

ですが、こちらで「因数分解」というタスクを3段階に分解してプロンプトに反映させると、わかりやすく丁寧に回答してくれます。

 

GPT_sub7

ここまで分解し、丁寧に回答が返って来れば、わかる子が大半になる、わかりやすい指導と言えるのではないでしょうか?

このようにタスクを分解してChatGPTに聞いてみることでこちらが求めていた満足のいく回答が返ってくる可能性が高くなります。

GPTに考える時間を与える(Give GPTs time “think”)

ChatGPTは機械であって人間よりも多くの情報、データをもっており、計算も間違わないはずですが、必ずしもそうとは限らないようです。

少し複雑な問題に直面するとChatGPT君も焦ってしまうようで、はやとちりをしてしまうことが往々にしてあります。

そこで、プロンプトに反映させたいポイントは「考える時間を与える」ことです。

こちらは現実時間で「30秒思考してください」というようにプロンプトに入力するよりも、思考に時間を要するようにプロンプトを変えてあげるということです。

するとChatGPT君はより多く思考し、正しい回答を返してくれる可能性が高まります。

今回はこのような計算問題にチャレンジしてもらいました。

「土地の費用は1坪あたり100万円です。ソーラーパネルは1坪あたり250万円で購入できます。年間一律10万円、追加で1坪あたり10万円かかるメンテナンス契約を締結しました。」

こちらの問題、坪数をxとすると、合計費用は360x万+10万となります。

GPT_sub8

ところが、ChatGPT君は誤っている生徒の回答を正しいと評価してしまいました。

GPT_sub9

そこで、上のようにかなり詳しく、考えるために時間がかかるようにプロンプトを書き換えてみると…

GPT_sub10

このように、生徒の回答が間違っていることを正しく指摘することができました!

回答を導き出してもらう前に、ChatGPT君の中で思考し、その結果と照らし合わせる、というように思考に時間がかかる方法を用いると、正確性を向上させることができます。

ChatGPTに議論をさせてみよう!

少し前にソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長の孫正義氏がChatGPT内で議論をさせ、生まれたアイデアを特許として申請していることが報じられ、話題となりました。

今回紹介したプロンプト入力のコツを押さえることができれば、ChatGPTに議論をさせることが可能になります。

まず、単純に議論をしてみて欲しいとChatGPTに入力してみましょう。

今回はプロンプトをこのように入力してみました。

「田舎のパン屋の売上を2倍にするためにはどのような施策を講じればよいか議論してください。」

すると、議論ではなくChatGPTがアイデアを出すところで終わってしまいました。

GPT_sub11

おそらく孫氏がしているのはこのようなアイデア出しだけではないはず…

そこで以下のようにプロンプトを改良してみました。

GPT-sub10_1

すると、以下のようにおそらく孫氏がしているだろう議論に、近しいと思われる結果を得ることができました。

GPT_sub12

このようにわかりやすくプロンプトを入力することで想像通りの結果を得ることができ、「コレジャナイ感」からおさらばすることができます。

まとめ

ここまでご紹介したポイントをChatGPTライフに取り入れることができれば、ChatGPTとのミスマッチは減り、より充実した結果を得ることができると思います。

筆者自身もこれらのポイントを知る前にChatGPTに触れ、「使いづらい」と一度離脱した組です。

ですが、これらを押さえることですごくChatGPTが使いやすくなり、困ったときにはChatGPTを活用することが多くなりました。

この記事をご覧になった方もぜひ一度今回のポイントをおさえて、ChatGPTに触ってみてください。

 

文:安澤空詩(ドコドアインターン)

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