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【リスティング広告をECサイト運用で利用するなら必読】ECサイト運用におけるリスティング広告の使い方


マーケティング初心者でも分かる運用方法とROAS改善のコツ
ECサイトを運営していると、「広告を使って売上を伸ばしたいけれど、どこから始めればいいか分からない」「リスティング広告に興味はあるものの、失敗が怖くて踏み出せない」といった悩みを抱えていませんか?
実は、リスティング広告は正しく理解して運用すれば、ECサイトの売上向上に非常に効果的な手法です。この記事では、2025年最新のGoogle広告機能を含め、マーケティング初心者でも実践できるリスティング広告の活用方法から、売上に直結するROAS改善のコツまで、実践的な情報をお伝えします。とりわけリスティング広告はユーザーのインサイトがわかるので、自社でECサイト運用されている方は必ず読んでください。
この記事を読み終える頃には、リスティング広告の基本的な仕組みを理解し、実際にECサイトでの運用を開始できる知識が身についているはずです。
目次
【トピック1】リスティング広告とは?ECサイトに最適な理由を初心者向けに解説
リスティング広告の基本的な仕組み
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、ユーザーが検索したキーワードに連動して表示される広告のことです。検索結果の上部や下部に「広告」と表示されているテキスト広告を見たことがあるでしょう。

従来のバナー広告やテレビCMとの最大の違いは、「すでに商品やサービスを探している人」にピンポイントでアプローチできる点にあります。例えば、「ランニングシューズ 通販」と検索した人は、実際にランニングシューズの購入を検討しているため、広告をクリックして購入に至る可能性が格段に高くなります。
ECサイトでリスティング広告を使う3つのメリット
ECサイトにとってリスティング広告が特に効果的な理由を、3つのポイントで説明します。
1. 購買意欲の高いユーザーにアプローチできる
検索キーワードから、ユーザーがどのような商品を求めているかが明確に分かるため、購入に近い段階の人に効率的にアプローチできます。「商品名 購入」「商品カテゴリ 通販」「ブランド名 公式」などのキーワードで検索している人は、まさに購入を前提とした情報収集を行っている状態です。
2. 費用対効果の測定が容易で透明性が高い
リスティング広告では、広告費用対効果を示すROAS(Return on Advertising Spend)で成果を正確に測定できます。ECサイトでは広告費に対して何倍の売上を上げられたかを明確に把握でき、キーワード単位やキャンペーン単位での詳細な投資効果を数値で確認できます。
3. 予算調整の柔軟性とリアルタイム対応
売上の状況や在庫状況に応じて、広告予算を日単位、時間単位で細かく調整できます。売れ行きの良い商品には予算を多く配分し、在庫の少ない商品は予算を減らすなど、ECサイト運営の実情に合わせたスピーディーなコントロールが可能です。
「Performance Max」との併用ポイント
リスティング広告は、Performance Max(P-MAX)キャンペーンと併用することによって威力を発揮します。なぜなら、顕在層の刈り取りはリスティング広告で行い、よりECサイトと相性がよく、リスティングから、ディスプレイ、YouTubeを含むすべての配信面で広告し、コンバージョンを最大化できるようになります。P-MAXキャンペーンは、以前はAIが自動でコンバージョンを最適化してくれるため、コントロールがしづらいところがありました。しかし、2025年1月から、Google広告のPerformance Max(P-MAX)キャンペーンに重要なアップデートが加わりました。最も注目すべきは、ネガティブキーワード設定機能が全ての広告主に開放されたことです。さらに4月のアップデートでは、除外キーワードの上限が従来の100件から最大10,000件まで大幅拡張されました。
これまでP-MAXは「ブラックボックス」と呼ばれ、どのような検索語句で広告が表示されているか分からない部分がありました。しかし、このアップデートにより、ECサイトに関係のない検索語句を詳細に除外して、より効率的で無駄のない広告配信が実現できるようになりました。
ただし、P-MAXは自動化機能が充実している一方で、適切な商品データの準備や除外設定など、基本的な土台作りをしっかり行うことが成功の鍵となります。
【トピック2】ECサイト運用者が知っておくべき設定方法と最適化のポイント
基本的な設定手順とECサイト特有の注意点
リスティング広告を始める際に、ECサイト運営者が特に重視すべきポイントを具体的に解説します。
キーワード選定の戦略的アプローチ
商品カテゴリごとに、購買意欲の段階に応じたキーワード階層を設定することが重要です。例えば:
- 「スニーカー」(検討段階・幅広いニーズ)
- 「ナイキ スニーカー」(ブランド指名・意思決定段階)
- 「ナイキ エアマックス 購入」「エアマックス 公式通販」(購入直前・高コンバージョン期待)
このように段階別のキーワード戦略を立て、それぞれ異なる予算配分と入札戦略を適用することで、効率的な集客が可能になります。
ランディングページ設定の最適化
一例として、広告をクリックした人が最初に見るページ(ランディングページ)は、検索キーワードと関連性の高い商品詳細ページに直接設定します。トップページや商品一覧ページではなく、すぐに商品を購入できるページにすることで、コンバージョン率が大幅に向上します。
予算配分の具体的目安
ECサイトの月商規模に応じて、以下の広告費率を目安として設定すると良いでしょう:
- 月商100万円未満:広告費率3-4%(月額3-4万円)
- 月商100-500万円:広告費率4-5%(月額4-25万円)
- 月商500-1000万円:広告費率5-7%(月額25-70万円)
- 月商1000万円以上:広告費率6-8%以上
除外キーワード管理の実践テクニック
2025年のアップデートにより除外キーワード管理の重要性がさらに高まっています。特に現在主流となっている「部分一致×自動入札」の運用では、適切な除外設定が成功の分かれ目となります。
ECサイト特有の除外キーワード例:
- 「無料」「フリー」「0円」(無料を求めるユーザーを除外)
- 「中古」「リサイクル」「訳あり」(新品販売の場合)
- 「レンタル」「借りる」「貸出」(販売目的の場合)
- 「求人」「採用」「バイト」(求職関連の除外)
- 競合他社のブランド名や店舗名
効率的な管理方法
Google広告の「除外キーワードリスト」機能を活用することで、複数のキャンペーンに一括で除外設定を適用できます。管理画面の「ツール」→「除外リスト」から作成し、アカウント単位で設定すれば、新しく作成するキャンペーンにも自動的に適用されます。その際、管理しやすいように名前を書いてあげると良いです。

キーワード入稿の自動化と効率化
重要な技術的注意点
除外キーワードの仕様には特別な注意が必要です。語句と完全に一致しないと除外されず、スペースも含めて一致している必要があります。これは通常のキーワードマッチとは異なる仕様のため、「ランニング シューズ」と「ランニングシューズ」は別々に設定する必要があります。
自動化ツールの活用
Google広告スクリプトやAI搭載の最適化ツール「Optmyzr」などを活用することで、24時間365日のモニタリングと自動最適化が可能になります。ただし、自動化に頼り切るのではなく、定期的な人間による確認と調整を組み合わせることが成功の秘訣です。

Google 広告スクリプト
【トピック3】 売上に直結するROAS改善の実践方法と陥りがちな失敗の避け方
ECサイトでのROAS改善の具体的方法
リスティング広告でのROAS改善には、以下の改善施策がわかりやすく、やりやすく、効果的です:
1. ランディングページの戦略的最適化
- 商品の詳細情報を購入判断に必要な要素に絞って分かりやすく表示
- 購入ボタンをファーストビュー内の目立つ場所に配置
- スマートフォンからのアクセスに完全対応したモバイルファーストなページ設計
2. リターゲティング広告の高度な活用
ECサイトでは、カート放棄ユーザー(商品をカートに入れたが購入しなかった人)への働きかけが特に重要です。放棄から24時間以内、3日以内、1週間以内など、段階的なアプローチでCVR(コンバージョン率)の大幅向上が期待できます。こちらはディスプレイ広告の設定です。
3. データに基づく継続的改善サイクル
ROASは日々変動するため、週次での効果測定と月次での戦略見直しを制度化し、仮説→実行→検証→改善のサイクルを回し続けることが成功の基盤となります。特にキーワード単位での仮説検証(「このキーワードは本当に売上に貢献しているか」「新しいキーワードを追加すべきか」など)を継続的に行うことで、より精密な運用が可能になります。

ECサイト規模・商材別の運用戦略
規模や取り扱い商材によって、最適な運用アプローチは大きく異なります。
小規模ECサイト
手動管理を中心としながら、基本的な除外キーワード設定に重点を置きます。現実的なROAS目標は3〜5倍に設定するのが適切です。
中規模ECサイト
Google広告スクリプトなどの半自動化ツールを積極的に活用し、リターゲティング広告を中心とした運用を行います。この段階では、ROAS目標を4〜8倍に設定し、より積極的な成長を目指せます。
大規模ECサイト
AIを活用した完全自動化ツールの導入が効率化の観点から必須となります。リターゲティング広告に加えて、Performance Maxの導入により自動化のメリットを活用でき、高度なセグメント設定と顧客データを活用したパーソナライゼーションにより、ROAS5〜10倍以上を現実的な目標として設定できます。
よくある失敗例と対策方法
リスティング広告運用で多くの企業が陥りがちな失敗パターンと、その回避方法をお伝えします。
1. ROAS改善の罠:数値だけを追求して売上が減少
ROASの数値だけを改善しようとするあまり、広告予算を絞りすぎて全体の売上が減少してしまうケースが頻繁に発生します。
対策: アトリビューション分析を正しく実施し、広告の直接効果だけでなく間接効果も含めた全体的な売上への貢献を評価することが重要です。一部のキーワードの ROAS が低くても、それが他の高ROAS キーワードでの購入を促進している可能性があります。
2. 除外キーワード過多によるリーチ機会の損失
除外キーワードを設定しすぎることで、思わぬ潜在顧客との接点を失ってしまう問題があります。
対策: 月1回は検索クエリレポートを詳細に確認し、実際に成果につながっている検索語句を誤って除外してしまっていないかを必ずチェックしましょう。「売上に貢献しているが、一見関係なさそうなキーワード」の発見が、新たな成長機会につながることもあります。
3. 部分一致キーワード管理の落とし穴
現在主流の「部分一致×自動入札」では、AI が学習により配信範囲を拡大するため、意図しない検索クエリでの広告配信リスクが従来より高まっています。
対策: AI自動入札の恩恵を受けながらも、除外キーワードの定期的なメンテナンスやGoogle広告スクリプトの導入と検索クエリの継続的な監視を怠らないことが大切です。週次でのレポート確認を習慣化することをお勧めします。
まとめ:リスティング広告でECサイトの売上を着実に伸ばすために
この記事では、リスティング広告の基本的な仕組みから、2025年最新のPerformance Max機能、実践的な設定方法、ROAS改善のコツまで、ECサイト運営者が知っておくべき重要なポイントを網羅的にお伝えしました。
成功への3つのカギ:
- リスティング広告は購買意欲の高いユーザーに効率的にアプローチできる最適な手法で、適切な運用により投資効果の高い成果が期待できる
- 2025年の新機能が追加されたP-MAXキャンペーンを活用した戦略的な設定と詳細な除外キーワード管理により、広告費の無駄を最小化しながら効果を最大化できる
- ECサイトの規模や商材特性に応じた段階的な運用アプローチと継続的な改善により、持続可能な売上成長を実現できる
今すぐ始められる具体的なアクション:
まずは月商の3-5%程度の小さな予算からスタートし、以下の順序で進めることをお勧めします:
- 主力商品3-5点に絞ったキーワード選定
- 基本的な除外キーワード(無料、中古、レンタル等)の設定
- 商品詳細ページへの直接誘導設定
- 週次でのROAS測定と月次での戦略調整
さらなる成長を目指すために:
リスティング広告の世界は、AI技術の急速な進歩により日々進化を続けています。特に2025年以降は、自動化機能がさらに高度化する一方で、それを適切に活用するための専門知識の重要性も増しています。
自社での運用に限界を感じた場合は、最新のAI機能や高度な分析手法に精通したマーケティング専門家への相談をご検討ください。専門家の知見を活用することで、自社だけでは難しい レベルの成果向上と、競合他社との差別化を実現できるでしょう。
私たちは、Googleのパートナーとして、ECサイトでのリスティング広告、Performance Max(P-MAX広告運用において豊富な経験を持ち、業界特性に合わせた最適な戦略提案が可能です。お気軽にご相談ください。成果向上に向けて、具体的で実践的なソリューションをご提案いたします。
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用語集・定義
検索キーワードに連動して表示される検索連動型広告
広告を表示したくない検索語句を指定する機能
コンバージョン率。広告をクリックした人のうち実際に購入に至った人の割合
Return On Advertising Spend の略。広告費1円あたりの売上を示す指標。例:ROAS 300%は広告費1円で3円の売上を意味する。
過去にサイトを訪問したユーザーに再度広告を表示する手法
広告をクリックした人が最初に見るページ
よくある質問(FAQ)
Q1. リスティング広告とは何ですか?
A. リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、ユーザーが検索したキーワードに連動して表示される広告のことです。検索結果の上部や下部に「広告」と表示されているテキスト広告が該当します。
Q2. ROASとは何の略ですか?
A. ROAS(Return on Advertising Spend)は「広告費用対効果」を意味し、投資した広告費に対してどれだけの売上を得られたかを示す指標です。計算式は「売上 ÷ 広告費」で、倍率で表現されます。
Q3. Performance Maxとは何ですか?
A. Performance Max(P-MAX)は、Googleの自動化キャンペーンの一種で、Google検索、YouTube、Gmailなど複数の配信面で自動的に広告を配信する機能です。2025年にネガティブキーワード機能が追加され、より精密な運用が可能になりました。
Q4. 除外キーワードはなぜ重要ですか?
A. 除外キーワードを設定することで、自社の商品・サービスに関係のない検索語句での広告表示を防げます。これにより無駄な広告費を削減し、本当に購入見込みの高いユーザーにのみ広告を表示できるため、ROASの向上に直結します。
Q5. 初心者はどのくらいの予算から始めるべきですか?
A. 月商の3-5%程度を目安として、最初は月額3-5万円程度の小さな予算から始めることをお勧めします。慣れてきたら段階的に予算を増やしていくのが安全なアプローチです。
ドコドア マーケティング部
有資格:Google広告認定資格、Googleアナリティクス個人認定資格など