「マーケティング」という言葉は現在、ビジネスの世界で広く使われています。しかし、実際その意味は曖昧です。そこでマーケティングの定義について確認してみましょう。

公益社団法人　日本マーケティング協会が時代に合わせ、2024年、34年ぶりマーケティングの定義について制定しました。

マーケティングの定義

　（マーケティングとは）顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである。

注 1）主体は企業のみならず、個人や非営利組織等がなり得る。
注 2）関係性の醸成には、新たな価値創造のプロセスも含まれている。
注 3）構想にはイニシアチブがイメージされており、戦略・仕組み・活動を含んでいる。

引用元　https://www.jma2-jp.org/home/news/916-marketing

定義だけを聞いて一回で理解はできませんよね。次に広辞苑でも意味について確認しましょう。

広辞苑　第七版によると、マーケティングとは「商品を大量かつ効率的に売るために行う、市場調査・広告宣伝・販売促進などの企業の諸活動」とあります。

こちらの表現の方がわたしたちが普段イメージするマーケティングの意味に近いです。

次にマーケティングの種類です。マーケティングにはさまざまな種類があり、それぞれの特性や目的に応じて使い分けることが重要です。

ここでは、マスマーケティング、ダイレクトマーケティング、インバウンドマーケティング、ゲリラマーケティングの4つの主要なマーケティングの種類について解説します。

１.マスマーケティング

マスマーケティングとは、大規模な市場全体をターゲットにしたマーケティング手法です。テレビ、ラジオ、新聞などのマスメディアを利用して広範なオーディエンスに対して一斉に広告を打ち出します。この手法の利点は、多くの人々を対象とできる点であり、ブランド認知度の向上に効果的です。

しかし、その一方で、広告費用が高額になることがあり、現在では、一般的なマスメディア（テレビ・新聞など）を使用しない人が増加しており、マスマーケティングを行うと偏った層へのマーケティングになってしまいます。

２.ダイレクトマーケティング

ダイレクトマーケティングは、特定の個人や消費者などターゲットを定めて直接アプローチする手法です。メール、SMS、テレフォン（電話）などを利用して、ターゲットとなる顧客に対して直接的なメッセージを送ります。

どれだけの経費をどのようにかけた結果、どれだけの効果が得られたのか、が分かり費用対効果を見ながらデータ分析をすることのできる手法と言えます。

３.インバウンドマーケティング

インバウンドマーケティングは、顧客が自発的に企業のコンテンツに接触することを促す手法です。ブログ記事、SNS投稿、動画、などを通じて、有益な役に立つ情報を配信してを提供し、顧客の興味を引きつけます。

この手法は、顧客との信頼関係を築くのに適しており、長期的なブランド力を高める効果もあります。また、コンテンツが持続的に効果を発揮するため、一度作成すれば長期間にわたり効果を期待できます。

４.ゲリラマーケティング

ゲリラマーケティングは、低コストで高い効果を狙うクリエイティブなマーケティング手法です。街頭パフォーマンス、フラッシュモブ、ウィットに富んだソーシャルメディアキャンペーンなど、従来の手法とは異なる斬新なアプローチでマーケティングします。

この手法の利点は、少ない予算で大きな話題性を生み出すことができる点であり、特にスタートアップ企業や中小企業に適しています。

しかし、アイデアの独自性や実行力が求められるため、成功するためには創意工夫が重要であり、一番最初に行うマーケティングとしてはハードルが高い傾向にあります。

マーケティングは、消費者が商品やサービスを手に取るまでの過程を段階的に進める必要があります。ここでは、「商品サービスを認知してもらう」、「商品サービスの名前を知ってもらう」、「実際に買ってもらう」という3つの段階に分けて、それぞれの具体的なアプローチ(手法)を解説します。

1. 商品サービスを認知してもらう

この段階では、消費者に存在を知ってもらうことが重要です。認知を広げるためのアプローチとして以下の方法があります。

マスマーケティング:

• テレビ広告: 広範囲にわたる視聴者にリーチするため、テレビ広告を活用します。特にゴールデンタイムの放送が効果的です。
• ラジオ広告: 地域ごとのリスナーに向けて、ラジオ広告を放送します。通勤時間帯の放送が特に有効です。
• 屋外広告: バス停、電車内、ビルボードなどに広告を掲示し、日常生活で目に触れる機会を増やします。

インバウンドマーケティング:

• SEO対策: 検索エンジンでの上位表示を目指し、ターゲットとするキーワードを使用したコンテンツを作成します。
• ソーシャルメディア投稿: ブランドの認知度を高めるために、SNSで定期的に投稿し、エンゲージメントを図ります。

2. 商品サービスの名前を知ってもらう

認知の次は、消費者に具体的な商品やサービスの名前を覚えてもらう段階です。ブランド名や商品名の記憶に残るアプローチを行います。

ダイレクトマーケティング:

• メールマーケティング: パーソナライズされたメールで、商品名を繰り返し紹介します。特典や割引情報を加えることで記憶に残ります。
• テレマーケティング: 直接電話で商品やサービスの詳細を説明し、商品イメージと名前を一致させます。

ゲリラマーケティング:

• クリエイティブなソーシャルメディアキャンペーン: ユニークなキャンペーンを実施し、商品名を拡散します。
• フラッシュモブ: 突発的なイベントで商品名を紹介し、強いインパクトを与えます。

3. 実際に買ってもらう

最後の段階は、消費者に実際に購入してもらうことです。ここでは、購買意欲を高めるためのアプローチを行います。

ダイレクトマーケティング:

• クーポンや割引: メールやダイレクトメールで限定クーポンや割引情報を提供し、購入を促します。
• SMSキャンペーン: 緊急性のあるオファーをSMSで送信し、迅速な反応を引き出します。

これらの段階ごとに適切なアプローチを実施することで、消費者の購買プロセスを効果的に進めることができます。各アプローチの選択と実施は、ターゲットとなる消費者の特性や市場環境に応じて調整することが重要です。

いかがでしたか？本記事でマーケティングの定義、種類、手法まで解説しました。

商品サービスを販売上で欠かすことのできないマーケティング。効果的なマーケティングを行うためには、マーケティングに精通したパートナーの協力が必要不可欠です。

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