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【Shopify Flow】高額・大量注文を自動でチェックして通知する方法

Shopifyを運営していると、「突発的に高額な注文が入った」「特定の顧客から短期間に大量の注文が届いた」など、不規則な注文パターンに気づくことがあります。これらは一見ありがたいように見えて、不正注文・転売目的・在庫リスクなどを引き起こすことも。
そんなときに役立つのが、Shopify Flowの「不規則な大量注文に関する通知を受信する」テンプレートです。
このテンプレートを使うことで、異常な注文が入った瞬間にSlackやメールで通知を受け取る仕組みを自動化できます。
この記事では、このテンプレートの概要から設定方法、活用シナリオ、応用までを詳しく解説します。
目次
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Shopifyワークフローとは
Shopify Flowのワークフローは、注文や在庫、顧客データに基づいてルールベースの自動化を実現できるアプリです。トリガー → 条件 → アクション という流れを組み合わせることで、日々の運用業務を大幅に効率化します。
詳しくはこちらの記事で紹介しているのでぜひご覧ください!
「不規則な大量注文に関する通知を受信する」テンプレートの概要
「不規則な大量注文に関する通知を受信する」テンプレートとは?
このテンプレートは、Shopify Flowの中でも人気の高い不正注文対策・リスク管理系テンプレートです。
主な機能:
- 顧客が短期間に複数回の注文を行った場合や
- 特定の金額以上の注文が入った場合に
- 管理者にSlackまたはメールで自動通知を送信します。
対応するアクション例:
- Slackメッセージ送信
- 管理者へのメール通知
- タグの自動付与(例:「高額注文」「要確認」など)
対応するトリガー例:
- 「Order Created(注文作成時)」
- 「Order Paid(支払い完了時)」
テンプレートを利用するメリット
1. 不正注文・転売を早期発見できる
このテンプレートを設定しておくことで、明らかに通常とは異なる購入パターンを即座に検知できます。
例えば「同一顧客が1時間に3件以上注文」や「1件あたりの注文金額が10万円超え」など、怪しい挙動を早期に把握できます。
2. チーム間の情報共有を自動化できる
Slack通知機能を使えば、管理チームやカスタマーサポートチームにリアルタイムで情報共有が可能です。
これにより「気づくのが遅れた」というヒューマンエラーを防ぎます。
3. 管理の手間を最小限に
Shopify Flowは「一度設定すれば放置でOK」。
つまり、24時間365日、自動で監視・通知してくれる仕組みが手に入ります。
ワークフローの仕組み
全体の流れ
このテンプレートの基本構造は以下のようになっています。
- トリガー「注文が作成されたとき(Order Created)」が自動的にトリガーとなります。注文が入った瞬間にワークフローが発火し、自動化が開始されます。
- 条件分岐・注文金額が指定の閾値を超えている・同一顧客の過去注文数が一定期間内に多い
- アクション・Slackまたはメールで通知・注文にタグを追加
通知内容のカスタマイズ例
Shopify Flowの「メッセージ本文」にはLiquid構文が使えるため、通知内容を詳細にできます。
🚨 大量注文を検知しました!
顧客名:{{ order.customer.first_name }} {{ order.customer.last_name }}
注文金額:{{ order.total_price | money }}
注文回数(過去7日):{{ customer.orders_count }}
注文URL:{{ shop.url }}/admin/orders/{{ order.id }}
このように設定すれば、Slack通知で即座に状況確認が可能になります。
作り方・設定手順(実践編)
ステップ① テンプレートを選択
管理画面から「フローを作成」をクリック。

ワークフローを作成から開くと最初から自作する「トリガーを選択」とテンプレートが見れる「テンプレートを閲覧」ボタンが出るので、今回は「テンプレートを閲覧」を選択。

テンプレート一覧から「不規則な大量注文に関する通知を受信する」を選ぶ。

テンプレートを選択するとフローが表示されるので「インストール」をクリック。

ステップ② 条件を設定
テンプレートを開いたら、条件ブロック(Condition)を編集します。
例:高額注文の条件
注文金額(total_price) > 50,000
例:短期間での複数注文
- 「顧客の注文数」> 3(過去7日以内)
この条件を自由に組み合わせることで、自社の販売特性に合った検知ルールを設定できます。
テンプレートで最初に入っている条件は下記の2つです。
- 注文(Order)に
wholesaleというタグが付いている場合 - 「注文内の商品いずれかが10個以上含まれている」または「注文全体の合計数量が20個以上の商品のとき」

ステップ③
通知方法は複数から選べます。
- Slack通知:ワークスペースと連携して特定チャンネルに通知
- メール通知:管理者やCSチーム宛に自動送信
- タグ付与:注文や顧客に「高額」「要確認」などを自動で付ける
Slack連携には「Slackアプリ」をShopify App Storeから追加しておく必要があります。
テンプレートでは注文に「For review」タグ付けと、メール通知が入っています。
アクションのボックスをクリックすると内容が変更できるようになっているので、アドレスやメッセージを編集できます。
ステップ④ テスト&有効化
テスト用の注文を作成して、通知が想定通り動作するか確認します。
テンプレートのメッセージをそのまま設定すると、条件の注文のとき下記のようなメールが届きます。(今回は1商品15個購入のテスト注文)

活用シナリオ
1. 高額商品の転売防止
高額商品や限定商品は、転売目的の不正購入リスクがあります。
「不規則な大量注文に関する通知を受信する」テンプレートを活用すると、以下のような運用が可能です。
- 同一顧客から短期間に複数注文が入った場合にアラート
- 注文金額が通常平均の2倍以上なら自動で「要確認」タグを付与
- 管理者がSlackで通知を受けて、キャンセルや確認連絡を即座に判断
これにより、在庫枯渇や正規購入者の機会損失を防ぎながら、不正注文を未然に防止できます。
2. 不正カード決済の監視
オンラインショップでは、不正カード決済による被害が一定数発生します。
特に短期間に大量の注文や、高額注文が続く場合は注意が必要です。
Flowのテンプレートを組み合わせることで、次のような運用が可能です。
- 「過去7日以内に同一クレジットカードで複数注文がある」場合に通知
- 「注文金額が通常より大幅に高い場合」も通知対象にする
- 通知内容に注文詳細(顧客情報、住所、電話番号、注文アイテム)を含めて即座に確認
この運用により、不正決済被害の早期発見と被害最小化を実現できます。
3. 卸・法人注文の優先対応
逆に、大口の正規注文はビジネスチャンスです。
Flowで大量注文を検知して通知することで、営業チームが迅速に対応可能になります。
- 「注文金額50,000円以上」をSlackの「#sales」チャンネルに通知
- 高額注文には自動で「大口顧客」タグを付与
- 営業チームは通知を見て、確認メールや優先発送手配をすぐに行える
結果として、顧客満足度向上と売上機会の最大化につながります。
応用テクニック
1. 通知対象をセグメント化して精度アップ
Flowでは条件を細かく設定できます。
例えば、以下のようにセグメント化することで、不要な通知を削減可能です。
- 新規顧客だけ通知:初めて購入した顧客からの大量注文を即チェック
- VIP顧客は通知対象外:優良顧客の大量注文は通常フローで処理
- 商品カテゴリごとに通知:高額商品カテゴリーのみ通知する
このようにセグメントを分けることで、通知の精度と運用効率を大幅に向上させられます。
2. 外部アプリとの連携で業務効率化
Shopify Flowは、Slackやメールだけでなく、TrelloやAsana、Klaviyoなどの外部サービスとも連携可能です。
- Trello連携例:大量注文を検知 → 自動で「要確認」カード生成 → チームメンバーが担当者をアサイン
- Asana連携例:異常注文をタスク化 → フォローアップ期限を設定 → 進捗管理
- Klaviyo連携例:リスク顧客に自動タグ → メールマーケティング制御
これにより、Flow単体では管理しきれない業務も自動化できます。
3. タグ運用と分析で意思決定を強化
- Flowで「高額」「要確認」などのタグを自動付与
- Shopify管理画面でタグごとに注文を抽出
- 月次レポートで「高額注文の件数」「リスク注文率」を分析
この運用を続けることで、不正注文や異常傾向をデータとして蓄積し、意思決定に活かすことができます。
導入時の注意点
1. 閾値設定は段階的に
- 注文金額や注文回数の閾値を初めから厳しく設定すると、通常注文まで検知されて通知が乱発する恐れがあります。
- 最初は「緩めの設定」で運用 → データを確認しながら閾値を段階的に調整するのが安全です。
2. 通知の過多による負荷に注意
Slackやメール通知を乱発すると、チームが通知疲れに陥ります。
対策例:
- 条件に優先度を付ける
- 高リスクの場合のみ通知
- 通知内容に「要確認理由」を明示して確認作業を短縮
これにより、必要なケースだけをピンポイントで通知でき、業務負荷を最小限に抑えられます。
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