- マーケティング
- SEO
【後編】サイト読み込みスピード最適化の完全ガイド

サイト読み込みスピード最適化の完全ガイド、後半です。
前編ではコアウェブバイタルの指標、CDN、WebPを導入した際の効果などを解説しました。
後編では、より直接的に読み込み速度を改善するための手法として、サーバー応答時間の改善、キャッシュ戦略の実装、XMLサイトマップの最適化を具体的に解説します。また、実装後に速度を正確に計測・確認する方法も紹介します。
サイトの表示速度は、ユーザー体験だけでなくSEOにも直結するため、技術的な改善手法を順序立てて理解し、実装することが重要です。
▼前編の記事
【前編】サイト読み込みスピード最適化の完全ガイド
サーバー応答時間の改善
サーバー応答時間とは、ユーザーがブラウザでページをリクエストしてから、サーバーが最初のバイトを返すまでの時間を指します。
この時間が長いと、ページ全体の読み込みが遅れ、サイト読み込みスピードの低下につながります。
まずは計測方法をご紹介します。
おすすめは、Googleの「PageSpeed Insights」の使用です。
TTFB(Time To First Byte):リソースのリクエストからレスポンスの最初のバイトが到着するまでの時間を測定する指標を確認します。
- PageSpeed Insightsを開く
- 計測したいURLを入力して、分析ボタンをクリック
- TTFBが確認できます

この値が、0.8秒以内に収まることを目標とすると良いです。
サーバー応答時間を改善する方法
では、これを改善する方法をご紹介します。
1. 高速なサーバーの選定
サーバーのCPU性能、メモリ容量、回線速度により応答速度が大きく変わります。より速いサーバーを選ぶことが改善につながります。
2. PHPやデータベースの最適化
WordPressやCMSを利用している場合、PHP処理やデータベースの応答がボトルネックになることがあります。CMSやPHPをバージョンアップ、データベースを整理することで改善される場合もありますので、定期的にチェックすることが大切です。
3. 不要プラグインやスクリプトの削減
プラグインや重いJavaScriptは、サーバー処理やレンダリングに負荷を与えます。使用していないものがあれば削除しましょう。また、非同期(async / defer)で読み込む設定を行いましょう。
これによりサーバーだけでなく、ブラウザ側のレンダリングも軽くなります。
キャッシュ戦略の実装
キャッシュとは、一度読み込んだデータを再利用する仕組みです。ブラウザやサーバーで適切にキャッシュを利用することで、サイト読み込みスピードを大幅に改善できます。
ブラウザキャッシュ
HTML・CSS・画像などをブラウザでキャッシュさせ、Cache-Controlヘッダーで有効期限を指定しておくと、その期間内はサーバーへの再リクエストが発生せず、キャッシュされたデータが利用されます。
更新時はファイル名にバージョンを付けることで、最新データへの切り替えを行う必要があります。
サーバーキャッシュ・CDNの併用
サーバーキャッシュは、サーバー側で生成したページを一時的に保存し、同じリクエストに対して即座にキャッシュを返す仕組みです。
これにより、PHPやデータベースの処理を省略でき、応答速度が大幅に向上します。
CDNは前編の記事で紹介しましたので、あわせて確認してみてください。
実装のポイント
1. キャッシュが有効かブラウザで確認する
Chome開発者ツールの「ネットワーク」タブで、画像などがキャッシュから読み込まれているか確認できます。
ここでキャッシュが正しく機能しているかチェックすることで、設定ミスや反映漏れを防げます。
2. 更新後はキャッシュクリアを行い、反映状況を確認する
ファイルを更新しても、古いキャッシュが残っていると変更が反映されません。
ブラウザキャッシュやサーバーキャッシュをクリアし、更新内容が正しく表示されるか確認することが大切です。
3. 動的ページはキャッシュ対象から除外する
ログイン画面やユーザーごとに内容が変わるページは、キャッシュすると不正確な表示になる可能性があります。
こうしたページはキャッシュから除外し、常に最新の情報を表示させる設定を行いましょう。
これらのポイントを押さえておくことで、安定したパフォーマンスと正確な表示内容を両立できます。
XMLサイトマップの最適化
XMLサイトマップは、検索エンジンにサイト構造を伝える地図です。
検索エンジンはサイトマップをもとにクロール順序を決定するため、適切なページを優先してインデックスさせることで、重要ページの露出を高められます。
また、クロール効率が向上することで、サーバーにかかる負荷が軽減され、間接的にサイト読み込みスピードの改善にもつながります。
実装のポイント
1. 主要カテゴリ・重要記事だけを含める
トップページや集客に直結する記事など、優先的にインデックスさせたいページのみを記載します。タグやアーカイブなどの不要ページは除外してクロール効率を高めます。
2. 更新頻度に応じて <lastmod>を設定
ページの最終更新日を記載することで、検索エンジンに新しい情報として認識させられます。特にブログやニュースサイトのように定期更新がある場合、正確な日付を設定することでインデックスの更新が促進されます。更新頻度の低いページは無理に変更せず、クロール負荷を抑えます。
<url>
<loc>http://www.example.com/</loc>
<lastmod>2025-10-01</lastmod>
<changefreq>monthly</changefreq>
<priority>0.5</priority>
</url>
※lastmod は「最終更新日」、changefreq は「更新頻度」、priority は「ページの重要度」を表します。
3. 不要ページはnoindexかサイトマップから除外
重複コンテンツや下書きページなど、不要なページはインデックスさせないようにします。これらを除外することで、検索エンジンが重要ページを優先的にクロールできます。
<meta name="robots" content="noindex, nofollow">
これらの方法により、検索エンジンに優先して重要ページをインデックスさせ、サイト読み込みスピード改善にも間接的に役立ちます。
まとめ
後編では、サイト読み込みスピードを向上させる具体的な手法として、サーバー応答時間の改善、キャッシュ戦略の実装、XMLサイトマップの最適化を解説しました。
これらの施策と前編で紹介したコアウェブバイタルやCDN・WebP導入を実施することで、効果が得られると思います。
サイト速度は一度の改善で完了するものではなく、継続的なチェックと最適化が必要です。
ぜひ、この記事を参考に、サイトの改善を行ってみてください。
ドコドア エンジニア部
このブログでは、アプリ開発の現場で培ったフロントエンド、バックエンド、インフラ構築の知識から生成AI活用のノウハウまで、実践的な情報をアプリ開発に悩む皆様へ向けて発信しています!
【主な技術スタック】 Flutter / Firebase / Svelte / AWS / GCP / OpenAI API