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アプリ開発の基礎知識|Webサイトとの違いや費用相場、開発の流れを徹底解説
アプリ開発は、店舗やサービスの集客力向上や業務の効率化を目的に、多くの企業で実施されています。ユーザーによる検索・閲覧が中心のWebサイトとは異なり、アプリには自社の課題や目的に合わせた機能を搭載することができるため、より積極的なWeb施策を推進することができるのが特徴です。
最近では、大手企業から小規模店舗まで幅広いビジネスで活用されているので「自社アプリを開発・導入しよう」という話題が出ることも少なくないのではないでしょうか?
そこで今回は、自社アプリを開発したいと考えた時に知っておきたい基礎知識をまとめてお届け。アプリとWebサイトの違いをはじめ、費用相場や開発の流れなど、アプリ開発のポイントを幅広くご案内します。
「Webサイトとアプリ、どちらがいい?」
「アプリを開発するためには何から始めるべき?」
「自社アプリを作るためには、どのくらい費用がかかる?」
そんな疑問にお答えする内容になっていますので、アプリ開発に興味のある方はぜひ参考にしてください。
アプリとWebサイトの違い
アプリ開発を検討する際に、まず押さえておきたいポイントは、アプリとWebサイトの違いです。「すでにWebサイトがあるから、アプリは不要なのでは?」と考える人もいると思いますが、アプリとWebサイトでは機能面・役割に違いがあります。それぞれの特長を理解した上で、効果的に使い分けることが大切なのです。
アプリとWebサイトの違いは、下記のようなものがあります。
- ダウンロードの有無
- 通信速度
- 機能
ダウンロードの有無
アプリとWebサイトの大きな違いは、利用する際にダウンロードが必要かどうかです。一般的に「アプリ」と呼ばれているものは、GoogleストアやApp Storeといったアプリストアでのダウンロードが必要な「ネイティブアプリ」を指します。ネイティブアプリを利用するためにはデバイスへのダウンロードが必要なので利用のハードルは上がりますが、一度ダウンロードすればスマートフォンのホーム画面にアイコンが表示され、ユーザーはワンタップでアクセスすることができます。
一方、Webサイトはブラウザを開くだけなのでダウンロードの必要はありません。ただし、アプリのような通知機能はないため、企業側から能動的にアクションを起こすことはできません。ブックマーク等をしてもらえれば再訪の可能性はありますが、基本的にはユーザーによる検索・閲覧という一方的な使用がメインになります。
通信速度
スマホアプリは一旦デバイスにダウンロードしてしまえば、コンテンツの更新時にのみ通信が必要となります。
一方で、Webサイトは情報の取得のために、常に電波を介してサーバーと通信しなければいけません。その通信速度は使用している回線の影響を受けやすいため、通信環境によってはストレスを感じる場合もあるでしょう。
その点、アプリは必要な時だけ通信を行い、あとはデバイス内で完結。回線速度の影響を受けることがほとんどないため、ユーザーに与えるストレスが少ないといえます。
機能
アプリの導入を決める上で最も重要な観点が、アプリとWebサイトにおける機能の違いです。
基本的にWebサイトは情報収集の受け皿であり、ユーザーが一方的に閲覧するものです。
一方、アプリにはプッシュ通知やお知らせ配信など、企業側から能動的にコミュニケーションをとれる機能が複数あります。ほかにも、GPSやカート、ギャラリーといった多彩な機能を必要に応じて搭載することができるので、効果的に活用できればユーザーの行動を促すことも可能です。こうした機能を企業・店舗の運営に役立てたい場合は、アプリの導入が有効だといえるでしょう。
アプリ開発のメリット・デメリット
続いて、アプリを導入するメリット・デメリットについて説明します。アプリの特長を理解した上で、自社の課題を解決できる手段を考えましょう。
アプリのメリット①顧客・ユーザーとの接点を増やせる
繰り返しになりますが、ユーザーが一方的に閲覧するWebサイトとは異なり、アプリは管理者側からプッシュ通知を送信することができます。プッシュ通知とは、新しい情報を公開した時にユーザーに直接通知を送ることができる便利な機能です。プッシュ通知は、メールマガジンと比較して開封率・クリック率が高く、ユーザーに対してアプリの存在を効果的にアピールすることができます。
ユーザーの役に立つ最新情報やキャンペーン開催のお知らせをプッシュ通知で定期的に配信すれば、ユーザー満足度向上にも繋がるでしょう。
アプリのメリット②多彩な機能を搭載できる
アプリには、サービスや目的に合わせた機能を搭載することができます。たとえば飲食店やサロンであれば、スタンプカードやクーポンを搭載することで、ユーザーはサービスをお得に利用できるため、再訪頻度の向上を期待できるでしょう。
ほかにも、ユーザーと個別でやりとりできるチャット機能や、顧客管理に役立つ会員ページなどを設置することも可能。アンケート機能×プッシュ通知など機能を組み合わせて使用することで、より効果的にアプローチすることができます。
アプリのメリット③社内業務を効率化できる
集客や売上アップだけでなく、業務効率化にもアプリは役立ちます。たとえば、プッシュ通知を配信すればDMを手配する手間を省けますし、スタンプカードや会員ページといった情報がアプリに集約されれば管理や接客の手間も軽減できます。アプリの機能を上手く活用することで、スタッフの業務負担を減らすことができるのです。
従来かかっていた負担が軽減されることで、本来注力すべき業務に集中できるため、企業・店舗としてのサービスも向上するでしょう。
アプリのデメリット①開発に費用と時間がかかる
アプリを開発する方法には、①社内で開発する ②外部の開発会社に依頼する という2パターンがあります。どちらの方法を選んだとしても、アプリを開発するためには費用と時間がかかります。後ほど費用相場については詳しく解説しますが、Webサイトを制作する費用と比較すると高額になるケースがほとんどです。
そのため、アプリならではの特性を集客やマーケティングに活用することができれば、そのコスト以上の成果を得ることができますが、計画性のない開発をしてしまうと実用性がなく、誰にも使われないアプリになってしまう恐れもあります。
アプリのデメリット②運用・改善の継続的な手間が発生する
アプリは完成したらゴールではなく、ユーザーの反応を見ながら改善・運用していくことが大切です。完成したアプリによってユーザーとの親密度を高め、ブランドやサービスのファン作りを促進していくためには、定期的な情報発信や使いやすさの改善が欠かせません。
そのため、アプリの開発過程だけでなく、公開後の運用にも人的コストがかかってきます。アプリ開発を検討する際には、公開後の運用を「誰が」「どのように実施するか」もあらかじめイメージしておくとよいでしょう。
アプリ開発の流れ・フロー
次にアプリ開発の流れについて、説明します。
アプリ開発を外部の制作会社に委託する場合、企画・設計の前にアプリによって解決したい課題や目的のヒアリングを行います。この工程は、アプリ開発の目的を明確にし、制作の軸を形成するために欠かせないので、自社で開発を行う場合にも必ず実施しましょう。その内容を踏まえた上で、目的を達成するために必要なアプリの要件を確定し、開発に入ります。
開発にかかる期間は、シンプルな機能だけを搭載したアプリであれば3カ月ほど、プッシュ通知やクーポンといった複雑な機能を搭載する場合には10カ月以上を要することもあります。
アプリ開発の一般的な流れ
1.企画
社内で現状の課題を洗い出し、アプリに搭載する機能を選定。実際に使用する際のイメージを膨らませながら、各機能の仕様をできるだけ細かく指定します(チャット機能は文字だけのやりとりでOKなのか、スタンプ機能を加えるのか…etc)。続いて、依頼候補となるアプリ開発会社を選定します。会社ごとに得意・不得意があるため、開発のこだわりや実績を確認した上で、相性の良いパートナーを選定しましょう。
2.要件定義・発注
要件定義とは、アプリの仕様や機能を詳しく詰める工程です。ヒアリングの内容を元に作成された提案書と見積書を受領し、抜け漏れがないか、また認識に齟齬がないかを確認します。この「要件定義書」はアプリ開発の設計図となる重要な書面です。制作をスムーズに進めるために重要な工程なので、しっかりと認識を合わせておきましょう。
3.基本設計(外部設計)
要件定義の次に行うのが基本設計(外部設計)です。要件定義の内容をもとに、アプリの構成や各機能のデザイン、操作方法といったユーザーの目に触れる部分を決めていきます。
4.詳細設計(内部設計)
基本設計で確定した内容を、プログラミングに取り掛かれる段階まで詰めていきます。どんな操作をしたらどんな画面が現れるか、ユーザーが入力した情報がどのように格納されるかなど、内部の構造を事細かに決定していきます。
5.開発・実装
アプリの設計が完了したら、プログラマーによる開発・実装がスタートします。プログラマーは定義した要件に沿って、適切なプログラミング言語やフレームワークを使用して、コーディングを進めます。
6.テスト
アプリが完成したら、予定通りに機能するかを必ずテストします。リリース後のトラブルは信頼問題にも繋がるので、事前に想定し得るトラブルはこの時点で改善しておきましょう。
7.審査・公開
各OSに合わせたアプリストアに登録(iPhoneはApp Store、AndroidはGoogle Play)を行います。審査を無事通過すると、アプリをリリースすることができます。iPhone・Androidともに数日〜1週間程度で審査結果が出ます。不合格の場合は、機能の見直しなどが必要になる場合もあるので、余裕のあるスケジュールで進めましょう。
アプリ開発のジャンル別費用相場
アプリのジャンルによる費用相場は、下記の通りです。 ここでは、アプリストアでダウンロードすることで利用できるネイティブアプリを1から開発する(=受託開発)場合の費用相場をご紹介します。
アプリの種類 | 費用相場 |
EC(ネットショッピング) | 100万円〜400万円 |
飲食店・サロン | 300万円〜600万円 |
教育・学習 | 300万円〜1,000万円 |
ニュース・メディア | 300万円〜500万円 |
マッチング | 800万円〜1,500万円 |
同じジャンルのアプリでも、搭載する機能やその作り込み具合によって開発費用は大きく異なります。 アプリの開発費用は、制作するアプリの種類や搭載する機能、制作の手法によって幅があるため、あらかじめ予算感をイメージした上でアプリに求める機能の優先順位を決めておきましょう。
ここからは、アプリ開発にかかる費用の内訳を解説します。アプリ開発の費用のベースとなるのは、エンジニアの人件費×工数です。
人件費
アプリ開発費用の大部分を占めるのは、エンジニアの人件費です。月額に換算すると、フリーランスエンジニアの場合は50万円前後、高度なシステム開発も可能な上級エンジニアの場合は100万円〜180万円ほどが相場となります。
さらにシステム開発が必要な場合には、プロジェクト全体の執行責任者であるプロジェクトマネージャーや、プログラム・ソフトウェアの仕様書を作るシステムエンジニア、仕様書にコードを書くプログラマーといった専門家が関わります。
また、デザイン制作や原稿のライティングを依頼する場合には、デザイナーやライターの費用も別途必要になります。
エンジニアをはじめ、各人のスキルや経験値によって制作の進行や仕上がりに差が出るため、「他社と比べて安いから…」という理由だけで低価格の見積もりに飛びつくことはおすすめしません。
デザインやライティングなど自社で準備できる部分があれば、その分コストを削減できるので必要に応じて検討しましょう。
開発期間
アプリ開発にかかる期間は、シンプルな機能のみのアプリであれば3カ月ほど、プッシュ通知やクーポンといった複雑な機能を搭載する場合には10カ月以上を要することもあります。この開発期間に、上記で説明した人件費を乗算した金額が費用のベースとなります。
また、アプリ運用を滞りなく進めるためには、ユーザーが使う画面だけでなく、アプリの提供者(管理者)が使う管理画面も重要な役割を担っています。管理画面を使いやすくするための作り込みにも工数が必要なため、機能が増えるほど開発期間も長くなる傾向があります。
また、アプリのOSはiOSとAndoroidのどちらを対象にするのか、もしくは両方に対応するのかによっても期間は大きく変わってきます。なぜなら、アプリ開発に使用する言語はiOSとAndroidで異なり、両方に対応するアプリを開発するには一般的に2倍の工数が必要だからです。
2022年現在、日本のOSのシェアはiOSが40%強、Androidが50%強となっています。Androidユーザーが若干多いものの、どちらも大きなシェアを獲得しているため、より多くの方に利用してもらうためには両方のOSに対応したアプリを開発するのがおすすめです。
アプリ公開後の保守・運用
先ほどもお伝えしましたが、アプリは公開した後の保守・運用も欠かせません。ユーザーの反応を確認しながら、新機能を追加したり、バグを修正していくことで、よりユーザーのニーズに寄り添ったアプリに育てていくことができます。
このアップデートを怠ってしまうと、開発にどれだけ時間と費用をかけたとしても実用性のないアプリになってしまう恐れがあります。
またアプリの利用者が増えるにつれ、大規模接続に備えたサーバーの保守やメンテナンスも重要になります。こうした維持管理費も一定のコストが発生することを覚えておきましょう。
OSに合わせたアップデート費用
アプリと同様に、スマートフォン自体のOSも定期的にアップデートされています。
アプリストアで公開されているアプリはOSに合わせて開発されていますが、OSの更新によって正常に作動していた機能が使えなくなったり、アプリを起動できなくなる不具合が発生する場合があります。そのため、公開済みのアプリもOSに合わせて適宜アップデートする必要があります。あらかじめ更新費用を見積もっておき、迅速に対応できるようにしておきましょう。
おわりに|自社・企業アプリを開発するなら「ドコドア」
今回は、企業や店舗でアプリ開発を検討する際に知っておきたい基礎知識をまとめてお届けしました。
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ドコドア 編集部
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