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目標設定を最初に!ホームページのリニューアル成功の秘訣
ホームページのリニューアルの失敗はほとんどの場合、あいまいな目標設定が原因で起こります。目標設定は最初に、数値目標まで具体的にすり合わせて置くことで、制作会社とよいパートナーシップを築き、ひいてはリニューアルを成功させる秘訣になるのです。
安く、早く、効果の高いリニューアル
外部のウェブ制作会社を使ってホームページをリニューアルしようとするとき、依頼側なら必ず、できるだけ安くしたい、できるだけ早くしたい、しかしできるだけ効果を大きくしたい、と考えるものでしょう。予算にも時間にも余裕がなく、結果を大切にする中小企業であれば当然のことです。
そうしたことは不可能ではありません。そのコツは目標設定の内容とタイミングにあります。具体的な数値目標を、契約前のできるだけ早い段階で設定し、制作会社と合意することが、安く、早く、高い効果を得るコツです。制作会社は目標からの逆算で企画全体を組み立てていくためです。
ホームページの企画や構成やデザインや集客施策や運用はすべて、達成したいゴールからの逆算で決まります。明確なゴールがあってはじめて、そのゴールの達成のために最適なコンテンツや機能が決まり、最適なデザインが決まり、最適な集客ターゲットが決まるものなのです。
しかし目標設定があいまいなまま、または明確な目標が存在しないまま、リニューアルに取りかかってしまうケースは少なくありません。こうしたケースでは、仕様はなかなか固まらず、コンセプトは二転三転し、デザインや原稿作成では手戻りが何度も発生するなど、御社も制作会社も損をします。
一方、目標設定をしたとしても、それが達成の見込みのない、現実味に欠けた目標では意味がありません。または、理論上は達成が可能であっても、そのために御社が捻出しきれないような巨大な予算を必要とするようでは意味がありません。
目標の達成を目指して御社と制作会社がともに協力していけるような、現実に達成可能で、しかも予算的にも時間的にも無理のない目標を事前に設定することが、リニューアルを成功に導く秘訣なのです。
営業活動との連携をスムーズにする
ホームページを営業活動に結びつけるにあたって、多くの企業は2ステップマーケティングを採用しています。これは1ステップ目で見込み客の連絡先を取得し、2ステップ目で販売活動を行うというマーケティング手法です。
- 1ステップ目: 見込み客の連絡先獲得
- ホームページから見積依頼や無料相談などの形で問い合わせてもらうことで、見込み客の連絡先を取得する。実際の販売の前に見込み客にとってハードルの低い1ステップ目を設けることで、より多くの見込み客を集められるメリットがある。
- 2ステップ目: 見込み客への販売活動
- 1ステップ目で獲得した見込み客の連絡先に対して、詳しい説明をしたり、個別の見積もりを案内するなどして販売につなげる。販売のための営業リソースを見込み客だけに集中できるメリットがある。
こうした2ステップマーケティングにおいて、ホームページのゴールとしてよく選択される指標には、次のようなものがあります。これらのうち、実際の営業活動によりスムーズにつなげられるものをホームページのゴールに選択する必要があります。
- 無料見積
- 無料相談
- 無料サンプル請求
- 無料勉強会
- 資料請求
- 無料見学
- 無料会員の登録
- 各種募集へのエントリー
- その他の問合せ
よくある間違いは、営業活動との連携を考慮せずに、ホームページのゴールを単に「お問い合わせ」などとしてしまうことです。こうなるとホームページは、御社の営業シナリオの1ステップ目として十分な機能を発揮できません。
また、集められる見込み客の数や、その見込みの強さは、選択したゴールによって変わります。そうしたことをふまえ、何をゴールに選択すべきかを決めかねる場合、ホームページ制作会社に相談するのはよい方法です。
見込み客への有効なアプローチを組み立てる
同じ会社のホームページだったとしても、ゴールが変われば訴求方法も変わり、それにともなって必要な情報も、効果的に見せる順番も変わっていきます。具体例を挙げると、次のような形です。
- 見積依頼がゴールの場合
- 商品やサービスに優位性があること、対応が迅速であること、他社と比較しやすくなること、特典がつくこと、無料であることなどをアピールして、見積依頼に誘導する
- 見学予約がゴールの場合
- 生の現場で商品を見たり体験したりできること、現場の人に直接質問できること、お土産がつくこと、無料であることなどをアピールして、見学予約に誘導する
- 資料請求がゴールの場合
- 詳細な情報が得られること、訪問の必要がなく時間を節約できること、人に会わずに済むこと、特典がつくこと、無料であることなどをアピールして、資料請求に誘導する
上述のように、効果的なホームページの形はゴール合わせて変わります。ゴールを明確にしないままでは、効果的な企画を作ることはできないのです。ホームページの内容や設計や計画はすべて、達成すべき目標からの逆算で決まるためです。
反面、ゴールを明確にしておけば、訪問者をゴールに導くシナリオの作成は容易です。明確な目的やゴールがあれば、それを達成するための最適なシナリオ設計やビジュアルデザインは自ずと決まってくるものだからです。
事前に何をゴールにするかを明確にしておくことで、御社にとってはホームページと営業活動との連携がスムーズになり、制作会社にとっては結果の出るデザインがしやすくなるのです。
手戻りや仕様変更などのロスを防ぐ
同じ会社のサイトで同じゴールを目指す場合でも、目標とする数値が変われば企画も変わります。資料請求を15%増やそうとする場合と、15倍(1,500%)に増やそうとする場合では、やるべきこともその範囲も大きく変わってくるためです。例えば次のような形です。
- 資料請求数を15%増やす場合
- メリット訴求の強化、セールスシナリオの強化、ユーザビリティやデザインの向上など、コンバージョン率を向上するための施策を組み合わせて達成。集客は従来通りで新しい施策は導入しない。
- 資料請求数を15倍に増やす場合
- リスティング広告やディスプレイ広告、アフィリエイト広告などの広告施策と、専用のLPを組み合わせて使うことで達成。広告予算を増額するだけでなく、新たな集客施策の導入も検討する。
このように、目標数値をどの程度にするかによって最適な施策は大きく変化します。目標の数値をあいまいなままにしていると、御社と制作会社との間で目標のイメージがずれてしまう可能性があります。例えば次のような形です。
- 自社は資料請求数を15%アップするようなイメージ
- 制作会社は資料請求数を15倍にするイメージ
このようなズレがあると、的外れな提案をされたり、予想外に大きな予算がかかってしまったり、コンセプト修正や仕様変更、コンテンツ作成の手戻りなどの形で軌道修正のために時間や予算がとられたりなど、御社にも制作会社にも大きな損失が発生します。
そうした失敗を防ぐためには、何をゴールにするかを決めるだけでなく、それをどれだけ獲得するかという数値目標も決めておき、きちんと制作会社と共有しておく必要があります。
おわりに
目標設定が曖昧なままリニューアル作業を開始したために、仕様はなかなか固まらず、コンセプトは二転三転し、デザインや原稿作成では手戻りが何度も発生、最終的には費用対効果の低いホームページが納品される、のような失敗は少なくありません。場合によっては御社も、こうした失敗を経験しているかもしれません。
なんとか公開までこぎ着けても、数値目標があいまいなら達成度を計測することもできず、したがって有効な改善策を導くことも困難になります。目標設定の曖昧さは、リニューアルだけでなく効果検証や運用にも影響を及ぼし、どんどん問題を長期化させてしまうのです。
こうした失敗は、御社にとって痛手になるのと同様、制作会社にとってもたいへんな痛手です。目標設定は最初に、数値目標まで具体的にすり合わせて置くことが、制作会社とよいパートナーシップを築き、目標達成に向かって共に全力で協力していける体制を作り、ひいてはリニューアルを成功させる秘訣になるのです。