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不動産業界で実践すべきWebマーケティング戦略|集客できるLPの活用方法や参考事例を徹底解説
不動産業界でもWebを活用した集客・営業が一般的になっていますが、課題に合ったマーケティング施策にいち早く取り組めるかどうかが、集客力や同業他社との差別化に大きく影響します。
こちらの記事では、不動産業を営むクライアントのマーケティング支援で多くの実績を持つドコドアのノウハウをもとに、不動産業界に有効なマーケティング施策の一つ、LP(ランディングページ)の活用方法をお届け。
LPの基礎知識から集客に繋がる活用方法、参考事例まで幅広く解説します!
目次
不動産マーケットの現況と課題について
はじめに、不動産市場の現況について整理しておきます。
不動産市場の現況
2024年現在、コロナ禍による不動産市場の停滞感は回復傾向にあり、不動産の売買取引は好調となっています。
また、国土交通省によると2022年の新設住宅着工戸数は前年比0.4%増となっており、貸家や分譲マンション、分譲住宅は好調です。一方、注文住宅の新設住宅着工戸数は低水準が続いていて、昨今の物価高騰による住宅価格上昇の影響が懸念されています。
社会問題になっている空き家の増加
そんな状況下で注目されているのが、少子高齢化や都市部への一極集中の影響から深刻化している空き家問題。空き家を売却・賃貸したいオーナー向けのサポートは行政・民間問わず年々充実してきており、「空き家を放置せず、どのように活用していくか」という課題への関心の高さが伺えます。
現在、日本国内の空き家の総数は約849万戸といわれており、その数は20年間で約1.5倍にも増加しています。言い換えれば、「空き家」を活用できず、管理に困っている方が増えているということです。
京都市では、利用されていない空き家の有効活用を促すため「空き家税」が導入される見込みになっていますが、この動きは全国的に広がる可能性も否定できません。そうなれば、空き家を手放したいと考える人は必然的に増加するでしょう。
不動産業界の集客にLPが適している理由
不動産業界の現況と課題をおさらいしたところで、マーケティング施策として有効なLP(ランディングページ)について解説していきます。
不動産業界でLPが効果的な理由
そもそも「LP(ランディングページ)」とは、特定の商材やサービスに関する情報を1ページにまとめたWebページを指します。お問い合わせや申し込み(=コンバージョン)を目的として、ターゲットに合わせて訴求ポイントを絞った構成にするのが特徴です。
不動産サービスは、物件の種類やエリア、予算、ライフスタイルなどによってターゲットを明確に定めるケースが多いです。そのため、ターゲット層に適した情報を発信できるLPを活用することで、効率的に集客・成約を図ることができます。
▼具体的なターゲット層としては、次のような例が挙げられます。
- 空き家を売却したいオーナー
- 空き家管理をしてほしい人
- 空き家を活用したい人
- 不動産査定をしてほしい人
- 不動産を売却したい人
- 賃貸物件を探している学生
- エリアやライフスタイルに特化
さらに、エリアや年齢といった細かい条件を追加し、ターゲット理解を深めた上で、ユーザーのニーズを満たすLPを制作すれば、問い合わせ数増加に繋がります。
LPのメリット・デメリット
不動産業界の集客に適しているLPですが、メリット・デメリットの双方を持ち合わせています。結論としてはメリットの方が大きいため、デメリットを理解した上で、戦略的に活用することをおすすめします。
メリット1:SEO対策・アクセス数向上に繋がる
LPはSEOに弱いといわれていますが、サイト一体型で作成すればSEO対策としても効果的です。
その理由は、LPは特定の商材やサービスに関する情報を1ページにまとめて掲載するため、検索エンジンからの評価が高まりやすいからです。
また、LPをうまく連携することで、Webサイト全体への流入を増やし、集客効果を高めることができます。サイト一体型のLPは長期的に運用しやすいので、SEO対策の効果を継続的に得ることができるのも利点です。
一方、広告用やキャンペーン用に制作する期間限定のLPは、SEOに向いていないといわれています。理由は、期間限定のLPは、検索エンジンが評価する基準である「検索意図」に合致しにくいためです。
そのため、期間限定の入居者募集などのLPは、広告運用で流入経路を設けるのが効果的です。
メリット2:専門性・信頼構築に繋がる
LPで専門性の高い情報を発信することで、企業としての信頼性を高めることができます。
たとえば、空き家売却を検討しているユーザーがターゲットの場合は、空き家売却に関する知識やノウハウをわかりやすく盛り込むことで、専門性の高さをアピールすることができるでしょう。
専門性の高いLPを作成することで、ユーザーからの信頼が高まり、成約率向上に繋がります。
メリット3:ターゲットフォーカスしやすい
先述した通り、「どんな人に届けるか」を設定しやすいLPは、ターゲットが明確なケースが多い不動産サービスに有効です。
ひと言で「不動産業」といっても、その領域は多岐にわたり、競争も激しい業界です。他社と差別化し、自社ならではのサービスの強みを打ち出せるLPは、特定のニーズを持つ人への訴求に適しています。
デメリット1:SEOに弱い
繰り返しになりますが、メリット1でも挙げた「SEO対策」については、LPをどのように運用するかによって異なります。期間限定の1ページ完結型であればSEO対策に結びつけるのは難しいですが、サイト一体型であれば自然流入も見込めますので、必ずしもSEOに弱いとはいえないのです。
また、元々LPは広告との相性がよいWebページです。広告経由でLPに集客するケースが一般的になっているので、多くの場合デメリットというほど気にしなくてもよいかもしれません。
デメリット2:コストがかかる
Webページを新たに制作するためには、費用がかかります。
費用は制作会社によって異なりますが、数万円〜数十万円までさまざま。
「とにかく費用を抑えて安く作りたい」という場合は、自社で戦略設計や競合調査、コンテンツ制作を行った上で、デザインやコーディングのみをお願いすることも可能です。
一方、構成やコンテンツにこだわって成果を出せるLPを作りたい場合は、実績豊富な制作会社に依頼することでWebマーケティングのメソッドに則したコンサルティングも期待できるでしょう。
さらに、LP公開後のサポートや広告運用なども伴走してくれる制作会社を選べば、より効率的に集客効果を向上させられるはずです。
参考にしたい!不動産関連サービスのLP事例9選
続いて、参考にしたい不動産サービスのLPをご紹介します。集客に繋がるポイントも説明しますので、ぜひ制作のヒントにしてください。
【空き家買取】株式会社協和住建
引用元:株式会社協和住建
新潟市を中心に不動産取引の豊富な実績を持つ協和住建。こちらのLPは「新潟で空き家を売却したいと考えている人」をターゲットに定め、空き家を所有しているデメリットや買取サービスの強み、買取の流れなどを紹介しています。
ユーザーはこちらのLPを見ることでサービス理解を深めることができるため、スムーズに問い合わせまで進むことができます。
また、サイト一体型のLPになっているので「もっと企業や他のサービスについて知りたい」と感じたユーザーは他のページも迷わず閲覧できるでしょう。
【空き家活用】株式会社LIFULL
引用元:株式会社LIFULL
「LIFULL 地方創生」は、空き家の再生を軸に、独自の視点で日本の地方創生をリードしているサービスです。
こちらのLPでは、深刻化する空き家問題の実情について、データを用いて説明しているため、非常に説得力があります。
統一感のあるピクトグラムでサービスの流れや強みが紹介されているので、最後まで読み飽きずに閲覧できる点も魅力的です。
【空き家活用】アキサポ(株式会社ジェクトワン)
引用元:アキサポ
こちらも空き家の再活用を進めるサービス。FV(ファーストビュー)に事例を掲載することで、「空き家がこんなふうに生まれ変わるんだ!」というインパクトをユーザーに与えています。
以降も「生まれ変わった空き家」のビジュアルを大きく使ったイメージ訴求がメインになっていて、コンテンツはサービス→活用事例→問い合わせの流れで非常にコンパクトなのが特徴です。
【空き家活用】空き家”Re”活用(株式会社みらい不動産)
引用元:空き家”Re”活用
みらい不動産が物件を借りて、家賃を支払うサービス・空き家”Re”活用のLPです。
こちらはサービス概要から利用者へのメリット訴求、活用方法まで充実のコンテンツで、ユーザー理解を促しています。
情報量が多く、比較的長いページになっていますが、随所にコンバージョン導線が設置されているので、ユーザーは自身が納得したタイミングで問い合わせに進むことができるでしょう。
【不動産売却】ポラスの不動産売却(株式会社中央住宅)
引用元:ポラスの不動産売却
不動産関連のさまざまなサービスを手掛ける株式会社中央住宅。
こちらのLPは「不動産売却」に特化することで、ターゲットへの効果的な訴求を目指しています。
無料査定や問い合わせの導線が際立つ構成がポイントで、コンバージョン率を重視した作りになっています。
【不動産賃貸】SOCO HAUS(三井不動産レジデンシャル株式会社)
引用元:SOCO HAUS
三井不動産レジデンシャルが運営する賃貸レジデンスサービス「SOCO HAUS」のLPです。
印象的なイラストを使用したメインビジュアルから、ターゲット層が「都会でおしゃれに暮らしたい若い女性」であることがわかりますね。
全体的に余白感を大切にしたデザインで、ターゲット層の好みを意識したLPであることがわかります。
【賃貸管理】ツインライフの賃貸管理
引用元:ツインライフの賃貸管理
賃貸オーナーをターゲットにしたサービスのLPです。冒頭では、賃貸オーナーが抱えがちな課題を列挙し、共感を促しています。
全体的に情報量が多い印象ですが、ポップなテイストのイラストや賃貸管理サービスに関するデータが挿入されていることで、興味深く読めるサイトになっています。
【リフォーム】Re:forus(株式会社フォーラス&カンパニー)
引用元:Re:forus
中古物件×リノベーションのワンストップサービスを提供している「Re:forus」のLP。手書き風のタッチのイラストや豊かな暮らしを想起させる写真を盛り込むことで、安心感を訴求しています。
また、随所にあしらわれたデザインや装飾がLP全体の雰囲気を柔らかくしていることで、ターゲットとなるファミリー層にも魅力的に感じられるのではないでしょうか。
【リフォーム】住まいる倶楽部(有限会社スマイルクラブ)
引用元:住まいる倶楽部
確かな技術力と想いを形にするプランニングで、理想のリフォームを叶えている住まいる倶楽部のLP。
こちらもサイト一体型LPになっていて、メインのサービスサイトとデザインを合わせているので、ユーザーは自然にサイト内を回遊できるようになっています。
見やすい構成とシンプルながら緻密に練られたデザインによって、好印象を受けるLPです。
集客できるLPのポイントとコンテンツ構成
ここまで、不動産業界の集客にLPがおすすめな理由をお伝えしてきましたが、成果を上げるためには正しいターゲット理解とユーザーニーズに合ったコンテンツ設計が欠かせません。
ここからは、集客できるLPを制作するためのポイントをご案内します。
ターゲット設定・分析をしっかり行う
参考として挙げていたLP事例を見ていただくと分かるとおり、ターゲットによってデザインも構成も大きく異なります。なぜなら、達成したい目的によって、コンテンツの構成や見せ方が大きく変わるからです。
そのため、まずは自社サービスが「どんな課題を持っている人に・どのような形で・どんな価値を提供するものなのか」を整理し、LPによってどのような目的(問い合わせ、資料請求など)を果たしたいのかを明確に定めましょう。
また、ターゲットの理解を深めるためにはペルソナを設定することも重要です。ペルソナとは、自社のターゲットの中で最も象徴的な人物モデルのことです。
「30代男性」「40代〜50代の女性」といった幅のあるターゲット設定ではなく、職業や年齢、家族構成といった細かい情報まで踏み込んで具体化することで、ユーザー視点が明確になります。
ユーザー視点でLPのコンテンツを設計する
不動産のLPでは、先ほど設定したペルソナに対して、ベネフィットを訴求できるコンテンツ設計が重要です。サービスを利用・購入することで得られる利益を、ターゲットに響く形で表現することが大切なのです。
LPの基本的な構成に沿って、それぞれのポイントをお届けします。
①キャッチコピーとアイキャッチ画像
LPを開いて最初に目にするセクション(=ファーストビュー、FV)で、続きを読むかどうかは約3秒で判断されるといわれています。
そのため、キャッチコピーにはユーザーの心を掴むベネフィットやユーザーの共感を呼ぶキーワードなど、「このLPを見れば自分の悩みを解決できるかも!」と期待させる工夫を盛り込む必要があります。
また、サービスの概要を端的に示すビジュアルも重要です。たとえば「不動産買取」であっても、古い中古住宅をそのまま買い取るサービスなのか、比較的新しい物件を高値で買い取るサービスなのかによって、ふさわしいビジュアルは異なります。ターゲットによっても表現方法は変わりますので、ペルソナを踏まえて検討しましょう。
②CTA(アクション喚起)ボタン
CTAとは「Call to Action(アクション喚起)」の略で、ユーザーにアクションを促すためのボタンを指します。LPはコンバージョンを目的にしたWebページなので、CTAの役割は重大です。
「すぐに問い合わせしたい人」「ページを読み進めて納得したタイミングで問い合わせしたい人」「最後まで見てから問い合わせしたい人」など、次の行動に移るタイミングはさまざまなので、適宜挿入するのがよいでしょう。
また、CTAボタンのデザインやコピーも大切なポイントです。ボタンの色やサイズを目立たせたり、ボタン回りにクリックを後押しするコピーを入れることで、コンバージョン率向上が見込めます。
③導入
メインコンテンツのトップにあたる導入部では、「ユーザーが抱えている課題を解決できること」もしくは「サービスの利用によって不利益を避けられること」を訴求するのが効果的です。
たとえば、相続した不動産に関する導入であれば、次のような内容を盛り込むことで、ユーザーの関心を引きつけられるでしょう。
- 「ユーザーが抱えている課題を解決できること」→「遠方からの依頼もOK!相続した実家を買い取ります」
- 「サービスの利用によって不利益を避けられること」→「固定資産税を支払う前に!最短2週間で買取手続きを完了できます」
④商品・サービスの概要
「自分の課題にあったサービスである」とユーザーに思わせた上で、アピールしたい商品・サービスの概要を紹介します。まずは、ポイントを端的に述べた上で、より詳しい内容を伝えることで、ユーザーの興味を惹きつけることができます。
⑤商品・サービスの特徴や強み
商品・サービスの魅力をさらに深掘りするセクションです。自社ならではの強みや他社製品との違いを訴求したり、サービス導入によるベネフィットを訴求しましょう。
実績や効果の数値をグラフ形式で掲載することで、より効果的に信頼感をアピールできます。
⑥導入事例・お客様の声
サービスの魅力をお客様視点から紹介できるセクションです。
お客様が持つ課題に対して、サービスがどんなふうに役立ったか、という一連の流れを伝えられるので、サービスの内容を具体的にイメージすることができます。また、導入実績をアピールすることで、安心感を与える効果もあります。
⑥よくある質問
ユーザーが抱える疑問や不安をQ&A形式で解消するコンテンツです。ユーザーを次のアクションへと促す効果が期待できます。
LPの効果を高める2つの方法
LPの効果を高めるためには、運用の指標を明確にすることが重要です。
一般的に、LPの運用では以下の指標を測定します。
- コンバージョン率:LPを訪れたユーザーのうち、目的のアクションを起こした割合
- LPの訪問数:LPに訪れたユーザーの数
- ページ滞在時間:LPに訪れたユーザーがページを閲覧した時間の平均値
これらの指標を測定することで、LPの効果を定量的に把握することができます。
ここでは、LPの効果を高める2つの方法をご紹介します。
方法①広告運用を効果的に行う
LPへのアクセスを増やすためには、広告運用が効果的です。ターゲットを踏まえて、広告の種類を選定し、広告文・キーワード設定を行いましょう。
広告の種類は、リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告など。Web広告であれば、性別・年齢・地域・興味関心など、細かい条件でターゲットを絞り込むことができます。
また、広告文はターゲットに刺さる内容で作成しましょう。キーワードは、ターゲットが検索する可能性のあるキーワードの中から、コンバージョンに繋がりやすいものを選定するのがポイントです。
方法②定期的に分析・改善を行う
LPの効果を高めるためには、解析ツール(GA4)を活用してPDCAを回すことが重要です。
コンバージョン率やLPの訪問数、ページ滞在時間などの指標を分析し、よりよいページへと改善していきましょう。
GA4では、以下の指標を分析することができます。
- セッション:ユーザーがLPを訪れた回数
- ページビュー:ユーザーがLP内で閲覧したページ数
- 平均セッション時間:ユーザーがLPに訪れてから離脱するまでの平均時間
- 離脱率:ユーザーがLPに訪れてからすぐに離脱した割合
たとえば離脱率が高い場合は、ファーストビューがユーザーニーズにマッチしていないという課題が考えられるため、キャッチコピーやアイキャッチ画像を見直すことで改善できる可能性があります。
なお、LPの改善を行った後は、効果検証を行いましょう。継続的にPDCAを回すことで、より効果的なLPに育てることができます。
まとめ|不動産業界のマーケティング支援はドコドアにご相談を
今回は、不動産業界のマーケティングにおけるLPの重要性とその活用方法についてお届けしてきました。
LPを活用することで、ターゲット層に効果的にアプローチすることができ、結果としてコンバージョン率の向上を図ることができます。特に、社会問題になっている「空き家」に特化したLPを制作すれば、空き家で悩んでいる方からの問い合わせ増加を見込めるでしょう。
繰り返しになりますが、成果が出るランディングページを作るためには、ユーザーを理解した設計と正しい分析・運用が不可欠です。そのため、ランディングページの制作を依頼する場合は、Webマーケティングに精通している会社をパートナーに選びましょう。
当社・ドコドアでは、これまでに全国1,600社以上のホームページ・ランディングページを制作してきました。その経験から得たWebマーケティングの知識やターゲット分析のノウハウを活用して、課題解決に向けた提案をいたします。
◎お問い合わせ・ご相談はこちらから
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ドコドア 編集部
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